3月定例議会 「ネット配信」

子供達の心と体を育む学校給食を問う

5番、石黒覚でございます。

何十年ぶりの大雪に見舞われた今年の冬は、JR脱線転覆事故など多くの悲しい事故が発生し、市民の皆様にとりましても毎日大変な思いをされた冬であったと、改めて思うところでございます。一方そんな中で、トリノオリンピックや一昨日の野球の世界大会など、子供たちに大きな夢と希望、そして元気を与えてくれるニュースもたくさんあった冬だった気がします。

世界中が興奮したトリノオリンピックで多くの日本人選手が語っていた、今でも私の頭に残っていることがあります。それは、選手村のレストランの食事、特に日本食が美味しくないという言葉です。世界中の多くの人たちに愛されるイタリア料理の本場イタリアの地で、それも世界中の選手が集まる選手村の食事が美味しくないと言う言葉は、一瞬にして世界を駆け巡ることになります。人間にとりまして、食というのは生命を維持する手段であるだけではなく、食文化と言われるように、人間らしく豊かに生きるために必要な、心身を育む大切な要素であることを、今さらながら考えるところであります。

さて、そんなことを考えながら、ご通告申し上げました一点目の、子供たちの心と体を育む学校給食につきまして、ご質問申し上げたいと存じます。

申し上げるまでもなく、学校給食は昭和29年6月に制定されました「学校給食法」に基づいて、重要な教育事業の一つとして、児童・生徒に栄養に配慮した食事を提供し、心身ともに健全な発達を図るために実施されているものであります。法律制定から半世紀を越える経過の中で、戦後の食糧難の時代、高度経済成長に沸き、世界第2位の経済大国となった20世紀後半の飽食の時代、そして、現在では我が国が教育の基本としてきた「知育・徳育・体育」に加えて「食育」なる教育が必要とされる時代を迎えています。食や給食を取り巻くそうした我が国の歴史を踏まえながら、現在の酒田市における学校給食の現状と課題について、少し議論をさせて頂きたいと存じます。

まず1点目は、昨年10月に始まった外部委託方式によります中学校給食の現状についてお尋ねを致します。

旧八幡町、旧松山町の小中学校、旧酒田市の小学校は自校方式となっており、旧平田町は共同調理場方式となっております。そして、旧酒田市の中学校給食が外部委託方式を採用して半年前に始まったわけでございます。これまでの半年間の実績を評価する中で、外部委託方式による給食の現状を明らかにしながら、18年度に向けさらに充実した給食にしていく必要があると考える所でございます。まず、この点につきましての当局の認識をお伺いいたします。

2点目は、実際毎日外部委託方式による給食を食べている子供たちや保護者の方々の意識についての当局のご認識を伺いたいと存じます。それぞれの方式においてのメリット、デメリットが様々あることは旧酒田市の中で議論を重ねてこられたわけでありますので、異論を申し上げるものではございません。

ただ、私に届いている市民の声の中に、「美味しくない」という声があることも事実です。現在の中学校給食に関する、意識調査等データがあればお示し頂きたいと思います。あるいは、教育委員会としてこれまで半年の間に、教育長を初めとして職員の皆様方が、何度となく試食された経過があると思いますが、率直なご感想をお聞かせ頂ければ幸いに存じます。

私自身、旧酒田市の中学校給食につきましては、これまで一度も拝見したことがなかったので、先日3月7日に突然電話でのお願いで大変失礼申し上げたのですが、旧市内のある中学校を視察させて頂きました。たまたま、その日のメニューは、偶然にもほとんどの子供達が大好物のカレーライスでした。教頭先生にほぼ全部のクラスを案内してもらいましたが、全てのクラスで、ご飯とカレーの食缶が、気持ちいいくらいきれいに空になっていました。何人かの子供たちや先生方に、お聞きしたところ野菜中心の献立の日は、残量が多くなるとのお話もありました。一度や二度の視察では到底全体の意識の把握など不可能でありますし、現代の子供達の食に対する感覚は、かなりの度合いで偏食であることも事実です。自分の好きなものはたくさん食べるのに、嫌いなものは一切拒絶するようなことが平気で許される時代であることも、一方では大きな問題であろうと思います。

また、案内して下さった教頭先生の率直なお話として伺ったのが、暖かいものを暖かいままで食べさせたいが、外部委託方式では不可能な点に対する指摘であります。ましてこれから夏場に向けて、食中毒防止の点からは、保冷材等の対応も必要になることを考えると、無理な相談なのだろうとあきらめるしかないとおっしゃっていました。しかしながら、3000人近い子供達の中に、仮に今の給食は「美味しくない」と感じる子が何%か居るとしたら、その原因を調査し改善策を講じなければならないのではないかと考えるのですが、そうした点も含めた当局のご認識をお伺いいたします。

3点目は、給食の果たす役割と食育のあり方についてであります。

まず、酒田市教育委員会策定の平成17年度酒田の教育という冊子の中に示されております、学校給食についての目的の記述を改めてみてみますと、「学校給食は、教育課程上明確な位置づけがなされており、学校でバランスのとれた栄養を摂取することによって、健康な身体と、思いやりのある豊かな心を育て、好ましい人間関係の育成と、かつ国民の食生活の改善に寄与することをねらいとしている」とあります。

あるいは、平成17年2月に示された、酒田市中学校給食実施計画案の目的によりますと、「心身ともに健康で、知・徳・体の調和のとれた発達を目指して、中学校給食を通じて、望ましい食習慣を身につけさせる。また、共働を通して好ましい人間関係を形成する能力や態度を身につけさせることと共に、将来にわたり、心豊かで健康な生活が営めるように、食に関する関心を高め、同時に健康を考える自己管理能力を育てる」とあります。

まさに、学校給食が担う役割が明確に示されております。

さらには、昨年6月に成立いたしました「食育基本法」により、具体化された「食育推進プランの充実」事業の新たな取組みとして、『栄養教諭を中核とした学校・家庭・地域の連携による食育推進事業』と『地域に根ざした学校給食推進事業』が示されております。地域に根ざした学校給食推進事業を申し上げると、

学校と生産者が連携し学校給食の充実を図るため、関係省庁や生産者と連携した学校給食における地場産物の活用の促進や米飯給食推進のための方策等についての検討を進める。また、各地域においても栄養教諭等が中心となって、学校と生産者が連携した学校給食における地場産物の活用の促進や米飯給食の推進の在り方、単独調理場方式による教育的効果等について実践的な調査研究をする、としています。

そこで、現状の旧酒田市の中学校給食における食育のあり方はどうあるべきかについて、一定の方向を示すことが緊急の課題であろうと考えます。先日成立いたしました平成18年度一般会計予算、10款3項3目中学校学校保健費に示された年間200千円は、まずは取組みの足がかりを模索するものと一定の評価をするところでありますが、外部委託方式実施半年後の総括なしでは、新規事業に踏み出せないことを懸念するところでありますが、いかがでしょうか。

次に4点目でありますが、これまで申し上げましたように合併後の酒田市における学校給食の方式は、まさにバラバラな状況です。こうした状況を踏まえた上で、今後の本市における給食にかかる課題と展望についてお伺いいたします。

合併協議の中において、学校給食の実施方法については、合併までに調整して統一する。なお、合併後に酒田市の中学校において完全給食を実施する、となっていたと記憶いたしておりますが、遊佐町の離脱問題で合併時期がずれたことなどによって、最終的にはどのような協定になったか正しく認識していないことにつきましてはご容赦いただきたいと思います。また、先の民生文教常任委員会での質疑に対する答弁では、平成18年度からメニュー等の統一を図っていきたい旨のご発言があったかと記憶いたしておりますが、改めてご所見をお伺いいたします。

また、大きな金額の差はないとしながらも、旧1市3町の給食費につきましても、まさにバラバラの状況であります。ちなみに

酒田地区  八幡地区  松山地区  平田地区

小学校    245円  235円  230円  247円

中学校    290円  265円  288円  289円 でしょうか。

私自身は、金額の統一は必要なことだと認識するところでありますが、旧町や旧酒田市小学校の給食方式が、献立、味付け、地場産品活用などの点において評価されてきたことを考えると、どこに合せて統一していくべきかの点で、極めて重要な判断が必要ではないかと考えます。まずは、当面平成18年度に向けての考え方をお示しいただきたいと存じます。

次に2番目であります、本市における男女共同参画社会推進についてお伺いいたします。

まず1点目は、男女共同参画社会構築の現状と認識についてお尋ねをいたします。

平成11年6月に「男女共同参画社会基本法」が制定され、旧酒田市においては、平成12年7月にいち早く、酒田市男女共同参画推進センター「ウィズ」が開設されました。そして、同年12月には国において「男女共同参画基本計画」が策定され、その後平成13年3月、「山形県男女共同参画計画」策定、平成14年7月「山形県男女共同参画推進条例」の公布を受け、酒田市においても検討委員会設置がなされ、平成15年3月には「酒田市男女共同参画推進計画」が策定されております。この計画は、平成24年までの10年間を推進期間と定めています。現在丸3年を経過したことを踏まえ、酒田市における行政組織内外の女性登用率について、例えば酒田市行財政改革大綱に示す、審議会等への女性登用率平成17年度25%とする目標の達成度を含むデータをお示し頂き、現状に対する率直なご所見をお聞かせいただきたいと存じます。

2点目は、男女共同参画社会のあるべき姿、特に女性の社会参画の目標値についてお尋ねを致します。

現在推進中の「酒田市男女共同参画推進計画」ウィズプランには、男女共同参画都市酒田の実現を総合目標にした、推進計画が示されていますが、数字による目標値の設定がなされていないのが現状ではないでしょうか。

また、酒田市男女共同参画推進センターの運営において、まちづくり推進課の担当職員1名、非常勤推進員1名の体制だと認識していますが、各十点目標における目標値の設定と、推進体制強化の必要性・緊急性に対するご所見をお伺いいたします。また、計画の見直しなどが行われる予定だとすれば、そのスケジュール等をお示しいただきたいと存じます。

3点目は、少子化対策としての男女共同参画の推進方策と今後の課題についてお尋ねいたします。

少し前にテレビで取り上げられた数字でありますが、平成16年度における育児休業取得率が報じられていました。女性が70%、男性がわずか0.6%ということでした。但し、結婚、出産を期に仕事をやめた女性が60数%に上り、残った40%の内の70%だということでした。この数字一つを見ても、日本における少子化対策としての男女共同参画推進は、まだまだ微弱なものであることが明らかではないでしょうか。

また、最近大きな問題になりつつあるのが、様々な理由による父子家庭の増大があります。同じくテレビ番組で報じられた、平成17年度途中の数字でありますが、全国にシングルファザーと呼ばれる父子家庭が170,000世帯あるそうです。そして、こうした傾向は年々増加の一途であるとも伝えていました。

法的には、母子家庭に対する行政支援策は完全とは言えないまでも、様々な形で講じられている一方で、父子家庭に対する支援策はほとんどないのが現状とのことです。

我が市におけるこれらの現状を明らかにすると共に、少子化対策として取組むべき緊急の課題ではないでしょうか。

また、酒田市男女共同参画推進計画をさらに一歩進める道しるべとして、条例化や男女共同参画都市宣言などに取組むことが急務と考えますが、ご所見をお伺いいたします。

以上、1問目とさせていただきます。

《2問目》

率直なご答弁と承りました。まずは、一つ目の「子供達の心と体を育む学校給食について」再質問させて頂きます。様々な点についてお示し頂きましたが、現状の旧酒田市の中学校における給食に対する、私自身が聞き取りをしたものを少し、紹介させて頂きたいと存じます。

女子生徒の意見

①    お汁、量のばらつきがあって配り悪い。ぶつ切りの果物は餌みたい。

②    運んでくる間にごちそうが混ざっている。美味しくないときがある。

③    配膳が面倒くさいものがある。給食を作る場所の違いで美味しくないと思っていた。

④    まずい時が多い。ジャガイモなどは生の時もある。最近は、初めの頃よりは良くなったみたい。「大鍋で作るのになれていないのか」と話している。

⑤    美味しい時でもおかわりできない。

男子生徒の意見

①    小学校の時より細かい気配りがない気がする。味が落ちる。

②    量が少し足りない。月の半分くらいはまずい。

③    肉をもっと多くして欲しい。弁当の方が好きなものを食べられていい。量が少し足りない。

④    時々薄味だと思う。肉を多くして欲しい。搬送中にご馳走が混じってくる時がある。

⑤    満足している。問題はない。

保護者の意見

①    ありがたいが、人手が足りないのか作り方が雑な気がする。学校側は意見を聞いてくれる。

②    バランスが良くて良い。創る弁当が一個少なくて少し助かる。

③    親としては特に問題は感じない。

④    親としては助かっている。魚料理など苦手なごちそうに不満を言う子達も居るようだ。

⑤    楽になった。

⑥    特に問題は感じていない。

⑦    楽で助かっている。

⑧    小学校の時に比べ美味しくない。

⑨    朝、楽でよい。

⑩    給食費の負担が大変な家庭も在る。弁当ならもっと節約できる。弁当派の人も居るが周りを気にして給食にしている。母の会の役員さんの意見が強い。

などなどです。また、ご承知とは存じますが、酒田4中の給食委員会だよりによりますと、全校生徒615人に対してアンケート調査を実施した結果、給食が始まる前にとったアンケートで給食の方が良いと答えた生徒が38%、給食開始後に給食はどうですかと言う問いに対して、給食の方が良いと答えた生徒が36%という結果が示されています。

現状を知る、こうした少ないデータからも様々なことが浮き彫りになっていると考えるのですが、いかがでしょうか。こうした点を踏まえるとすれば、まずは今何をすべきかと言う点で、是非とも提案申し上げたいのが、旧市内全中学校全校生徒及び全保護者に対するアンケート調査の実施であります。結果を全て受け入れるなど不可能であることも理解します。しかし、先に述べさせて頂いたように、美味しくないものを食べることからは、食育もその国のプラスイメージも見つからないと思うのであります。子供たちの多くは、近い将来ふるさとを離れて生活することになったとき、あなたのふるさとの美味しい食べ物は何ですかと聞かれて、笑顔で答えられなければならないと思うのであります。視点を変えてみれば、その一言が、阿部市長の市政方針にあるとおり観光都市酒田を売り込む強力な手段にも成り得ることではないでしょうか。ましてや、私達の住む庄内はイタリア人が賞賛するほど、イタリア料理に必要な食材がほとんど揃う日本でも有数の食材産地だといわれていることは、ご存知だと思います。美味しい学校給食によって育まれる子供たちは、いつかふるさと酒田の観光大使になってくれるのではないでしょうか。

もう一つ、食育、特に食べ物を大切にする心を育む点から申し上げるとすれば、毎日の残材料のデータをフィードバックするシステムが必要であろうと考えます。この数字もテレビ報道されたものですが、わが国において一年間に廃棄処分される残飯量、多くはコンビニの期限切れの弁当や外食産業から排出されるものだと言うことですが、700万tにも達するという点であります。700万tの食料は、世界の一年間の食料援助数量と同じだと言うことです。更には、その残飯をお金に換算すると、約11兆円にも上るのだそうです。11兆円と言う数字は、日本における農水産業の年間生産額に匹敵するとも報じていました。こんな現状を当たり前で過している、現在の私達が未来を創る次世代から許されるものではないはずです。

まさに、学校給食を核とした食育の推進は、極めて緊急性の高い取組みと認識する必要があると考えます。また、教育の原点は現場主義にあると考えます。現場の子供達の現状をしっかりと現場で把握することこそ、進むべき方向を明らかにする唯一の方法と確信するところでありますが、当局の取組みの姿勢について、今一度お尋ねいたします。

二つ目の男女共同参画社会構築に対する取組みでありますが、こちらはまず推進主体である行政が、目標値を設定することが、原点ではないでしょうか。どれだけ言葉や文字を並べても、数字で示す目標値がなければ、人間の心の深い部分に関わる社会変革を達成することは極めて難しいことだと考えます。今一度、当局の男女共同参画社会構築に対しる、決意をお聞かせ願いたいと存じます。

以上、2問目と致します。

《3問目》

食育基本法の前文の冒頭には、次のようなことが書かれています。

21世紀における我が国の発展のためには、子供達が健全な心と身体を培い、未来や国際社会に向って羽ばたくことが出来るようにするとともに、すべての国民が心身の健康を確保し、生涯にわたって生き生きと暮らすことが出来るようにすることが大切である。

子供たちが豊かな人間性を育み、生きる力を身につけていくためには、何よりも「食」が重要である。今、改めて、食育を、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置づけると共に、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる食育を推進することが求められている。もとより、食育はあらゆる世代の国民に必要なものであるが、子供たちに対する食育は、心身の成長及び人格の形成に大きな影響を及ぼし、生涯にわたって健全な心と身体を培い豊かな人間性を育んでいく基礎となるものである。と、

まさに、心の時代を取り戻す法的根拠であるものだと認識するところであります。そして、新生酒田市が最も重要な課題として取組むことによって、未来に発展する酒田市が約束されるものではないでしょうか。御所見があればお伺いして、質問を終わります。

【答弁含み45分18秒】

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