12月定例議会 「ネット配信」

地域農業再生に今こそ独自施策で踏み出す時

12月定例議会最終日の4人目と言うことで、皆様大変お疲れのこととは存じますが、私からも一般質問を申し上げさせて頂きたいと存じます。また、16番目の質問者と言うことで、多くの部分で前者と重複する点につきましては、ご容赦を賜りたいと存じます。

さて、2007年もいよいよ師走の大詰めとなりました。つい先日、恒例の清水寺の一年を漢字一文字で表す発表は記憶に新しいところでございます。今年は誠に残念極まりない思いでございますが、
「偽」という文字になってしまいました。食品を始めとする様々な分野で偽装事件に明け暮れた年を象徴する漢字となってしまいました。
さて、始めに今年6月に施行された建築基準法改正に伴う諸課題についてお伺いを致したいと存じます。

今回の建築基準法改正に至る経緯は、ちょうど2年前の12月末に明らかになった、姉歯1級建築士による「耐震強度偽装事件」が発端でありました。以来、マンションやホテルなどを中心に構造計算の過程で数値を偽装し、建築費を安く上げるための偽装事件が全国的に広がったことは、皆様ご承知のとおりであります。これらの事件は、単なる建築士による数値偽装に止まらず、建築主、建設会社、さらには民間建築確認機関、あるいは行政のチェックの甘さまで指摘される事件に広がったものでありました。建築基準法の精神は今さら申し上げるまでもないところでありますが、人間が営む社会生活のすべての段階で使用する建築物を、積雪や風雨、地震などあらゆる外的条件の中で、人間の命を守るための最低の安全を確保するための基準を定めた法律であります。近年、日本各地で発生した大地震を経験したことを踏まえ、特に重要視され幾度となく改正を重ねてきた耐震強度基準を、規制緩和が進む社会背景のもと、経済至上主義に走る売り手側が暴走した典型とも言える事件だと、私自身の立場を顧みながら、社会的責任の重さを改めて感じているところであります。こうした事件が2度と発生しないための関係法令の改正が行われ、6月から施行されたのでありますが、この直後から全国的に建築確認件数が激減し、日本経済に極めて深刻な影響を及ぼし始めたのであります。国土交通省が今年9月28日に発表した全国における、8月の新設住宅着工戸数によれば、6万3千76戸で前年対比マイナス43%と大きく落ち込んだのであります。ちなみに同8月の山形県における新設住宅着工戸数は、全国ワースト8位で290戸、前年対比マイナス52.8%を記録しています。その後の9月、10月と徐々に回復の兆しはあるものの、依然として9月44%マイナス、10月35%マイナスとなっています。そこで、こうした全国あるいは山形県の状況を踏まえ、本市における建築確認申請の動向についてお尋ねを致します。資料請求を申し上げ、すでにご提示頂いているところではございますが、改めてお示しを頂ければと存じます。

2点目は、そのデータが示す原因が、建築基準法改正による手続きの厳格化、あるいは複雑化、建築確認申請審査期間がこれまでの21日間から最大70日まで延長されたことなどにより、地域経済停滞に及ぼす影響についてのご所見をお伺い致します。一昨日のご議論でも明らかなとおり、本市のここ数ヶ月における新築住宅着工数を見るとき、あながち無関係と断言できる数字とは受け取れないと考えるところであります。

3点目は、在来工法を主体に住宅建築に貢献する大工さんや工務店など小規模事業者育成に対する本市の姿勢についてお伺い致します。先ほど来申し上げておりますとおり、建築基準法改正により木造2階建て住宅の確認申請においても同様に、手続きの厳格化や複雑化が諮られたことは事実で、これまでこうした小規模事業者においても対応できていた建築確認申請が難しくなっているとするならば、うがった見方かもしれませんが、いずれどんどん中央大手ハウスメーカーに押され、地域経済を支えてこられた伝統技術による木造建築物生産、特に在来工法住宅の担い手が、これまで以上に育ちにくくなることへの懸念を抱くのであります。建築基準法改正講習会開催などを含む、地元小規模事業者育成は重要な行政の責任と認識するところでありますが、当局のご所見をお伺い致します。

4点目は、こうして建築基準法改正が行われた中で、特に重要な耐震性能強化における、個人住宅耐震診断・耐震改修に対する国の助成制度拡充がなされる方向と、お聞きしいたしているところでありますが、それらの状況と本市の対応についてお伺い致します。中々進まない木造個人住宅の耐震化は、地震に強いまちづくりの重要な課題であると共に、疲弊した住宅産業活性化や地元小規模事業者育成の観点からも、今後強力に推進する必要があると考えるところであります。状況をお聞きいたしておきたいと存じます。

次に2番目の、本市における地球温暖化防止対策の評価についてお伺いを致したいと存じます。これまでも何度か「ごみの減量化」等の視点で同様の質問を申し上げてきた経過がございます。それらの議論から本市が環境基本条例、環境基本計画あるいは環境保全実行計画、ごみ処理基本計画などに基づいて取組む「ごみ減量化」「省エネ対策」「バイオエネルギーへの取組」等を通じた地球温暖化防止対策への取り組み姿勢は、評価いたすものであります。しかしながら、つい先頃閉幕したポスト京都議定書を話し合う「バリロードマップ」などの議論から、地球温暖化の急速な進行に、いよいよ地球の危機的状況を知らされる中、計り知れない不安におびやかされる一方で、私達一人一人が出来ることを、地球上で生かされている人間として今、責任ある行動を起こす時間的限界に来ていると感じるところであります。

京都議定書で掲げられた、日本の温室効果ガス削減目標である6%削減自体が困難な状況にあることも、この際しっかりと再認識することが喫緊の課題であろうと考えるところであります。

さて、そうは言うものの、ここで国全体の議論をする訳にはいかないわけであります。まずは、私達酒田市がどのような状況にあるのかについて、しっかりと認識することが大切なのだと考えるものであります。そこで、我が酒田市における、これまでの取組の経過について、改めてお尋ねをしておきたいと存じます。広報さかた10月号に示されるように、「ごみ排出量」などは微量ながら減少傾向にあることや庁舎内での省エネ対策の効果も見え初めているものと思われます。これまでの取組によって、どの程度の温室効果ガス削減に貢献できたのか、数値的データがあれば合せてお示し頂きたいと存じます。

次に、そうした取組の現状レベルに対する本市としての評価について、お伺い致したいと存じます。評価の方法は様々あるかと思いますが、出来るだけわかりやすい評価をするためには、人口規模等の類似自治体、あるいは民間企業等の取組状況との比較が可能であればと考えるところでありますが、酒田市環境基本計画の進行管理や年次報告書に基づく、率直なご認識をお伺いできればと存じます。

次に、それらの評価によって今後の取組の方向が明らかになってくるものと思われるわけでございますが、平成18年3月策定の環境保全実行計画の検証も含め、本市の取組がまだまだ庁舎内にとどまっている現状、そして庁舎内の取組自体も、さらに一歩前に進んでいると言える状況にあるのか少し疑問を感じているところでございます。言い換えれば、私も含め職員の皆様方一人一人、庁舎内の隅々から知恵がしぼり出されていない現状にあるとの認識であります。さらに申し上げるならば、もはや庁舎内における取組に満足している場合ではないと言う認識なのであります。

例えば、庁舎内で実践されて明らかになった温室効果ガス削減データの分析を、酒田市としていち早く全市民に向けて発信しながら、市民レベルでの取組を啓発しているでしょうか。地球の危機的状況に対する市民の皆様の認識を高める啓蒙活動も現状レベルではまだまだであろうと言わざるを得ないと考えています。小さな取組でも個人の生活の中に拡大強化してこそ、積み重ねられる効果は大きくなることは言うまでもないことであります。

そこで、もう一歩踏み込んだ、目に見える全市民参加による地球温暖化防止対策への取組に向けての姿勢と課題について、ご認識をお伺い致したいと存じます。

次に3番目の地域農業再生・活性化の方向についてお伺いを致したいと存じます。昨日、一昨日と多くの議員から質問が出された点でありますが、ご容赦願いたいと存じます。

1点目は、米価下落に対する対応についてであります。今さら申し上げるまでもないわけでありますが、庄内においては今年度産米作況指数101で16万5200トン(前年対比99%)という、本来、農家の皆様にとりましては、出来秋を喜ぶ時だったのであります。しかしながら、喜びどころか怒りさえ覚える、仮渡金60kg当たり1万円の状況は、昨年より1700円安く、一昨年より2400円安くなってしまったのであります。さらに言うならば、17年産の最終生産米価は13290円、18年産のこれまでの精算金を含めた米価は12444円と年々手取額が減少している極めて厳しい状況であります。今年の仮渡金では、11月から12月に集中する生産経費支払いの資金繰りすらままならない農家の方が多数おられると推測されます。県とJAではこの米価下落に対する対策として、融資を決定したようですが、結局は借入金に変わりはなく、このまま毎年下落する米価では、返済が困難になることは目に見えていると言わざるを得ません。こうした米価下落対策として転作作物は大豆を中心に、野菜等も含め補助金を拠出し複合経営に力を入れることで、経営安定を目指してきているわけですが、それらの効果が表れていないことは、納税の状況などからみても明らかではないのでしょうか。さりとて市単独補助などの対策は困難だと繰り返し答弁されています。さらに申し上げるならば、国の経営安定対策で直近米価を対象とした補償方式では、年々下がり続ける入札価格の中で、歯止めがかからない。まさに米生産農家の方々にとりましては、抜け出せない袋小路で耐えるしかない最悪の状況ではないかとさえ、いいたくなるところであります。それでも、怒りをこらえて米を作り続ける農家の方々に、頭があがらない思いで一杯であります。後で述べさせて頂く農業者個別所得補償制度が今必要な最大の対策だと考えるところでありますが、当局の米価下落に対する考え方、対策についてお伺い致します。

2点目は、産地作り交付金の一本化の方向についてお伺い致します。現状の産地作り交付金は、合併前の旧市町の水田協議会ごとに品目、助成金額が決められています。この産地作り交付金等の一体的な運用は、平成22年度までに調整することになっておりますが、先に述べましたように現在の米価下落の状況では、転作収入に大きく影響すると思われることから、一刻も早く調整をし、一本化することが求められていると考えます。制度の一本化に際して、該当作目については、これまでの地域性を考慮した制度にする必要があると思います。補助金制度としてなじまない作目については、大豆よりも収益の上がる野菜類などについて整理をしながら、作目内容をより集中的な方向にすることが必要ではないかと考えるところであります。また、水田協議会の統一は、産地作り交付金の一本化と表裏一体の課題でもあり、どのような調整を行い、どの時点で実施されるかについて考えをお伺い致します。

3点目は、農業者個別所得補償制度議論と必要性を含めた本市の立場についてお伺い致します。米価の下落に歯止めがかからない現状は、率直に申し上げて、これまで政府が行ってきた食料政策の失敗であると言わざるを得ません。米価や米の管理等を市場原理にまかせ、転作についても食糧法の改正で、作る自由、売る自由と方針転換したときから、農業所得下落が始まり、現在に至る事など容易に想像できたことだと思うところであります。生活する所得を得られない産業に残る若者がいなくなるのは、まさに当然のこととさえ言えるのではないでしょうか。一方この間、諸外国においては、直接補償や輸出補助金等を拠出し、自給率を高めてきたことも、紛れもない事実だと言わなければなりません。もう一つ米価の下落の要因として見過ごすことができない点は、転作非協力農家が増加し続けてきたことではないかと考えられます。特に大都市周辺で多い状況ですが、全国でみると米の過剰作付け面積が6.3万ヘクタールに上り、40万トンに相当する数値であります。昨日、農林水産部長のご答弁に、今年、政府が緊急米価下落対策として備蓄用に当てた34万トンは、まさにこの過剰米に近似しているのは、ただの偶然なのでしょうか。100歩譲って緊急対策として効果があったとしても、いずれ2~3年内には市場に吐き出されることを考えれば、過剰米処理の抜本解決から目をそらせ、先延ばしをしただけだと言うことになるのではないでしょうか。そうした意味においては、本市における転作非協力者についても無視できない数値になりつつあるのではないでしょうか。米生産を取巻く現状の厳しさを思うとき「バラマキ政策でかつての農政に逆戻り」だと批判もあるようですが、転作非協力者に対するより厳格なペナルティを負荷するとしている、農業者個別所得補償制度議論は、超高齢化する農村部の農地保全の意味も含め、しっかりと議論する必要があると、私は考えるところでありますが、当局のご所見をお伺い申し上げ、1問目と致します。

2問目

1、建築基準法改正に伴う諸課題について

●私自身も先頃、住宅新築の確認申請をさせて頂いた際に、本市の対応が以前と変わらないスピーディなものであることについては評価しているところであります。一方で、法律改正を急ぐ余り、施行後、現場でこれほど混乱することを予測できなかった国の対応に、不具合があったことは事実と言わざるを得ないところであります。日本建築士会連合会が8月3日付けで83項目に及ぶ疑義書を国に提出し、その後、国土交通省から徐々に対策が出された経過もあります。1問目でお尋ねした、確認申請件数激減、新設住宅着工戸数激減の要因が、建築基準法改正と何らかの因果関係があるとするならば、やはり地域経済活性化の立場から、在来工法主体の小規模事業者の皆様への指導を、建設総合組合等とのタイアップで、早急に実施する必要があると思うが、いかがか。

●山形県は建築確認担当者の増員も検討すると、今議会で答弁したとのこと。酒田市の建築確認担当者の増員は必要ないか。

●国土交通省住宅局の来年度予算概算要求を見ると、確かに耐震改修助成事業の拡充・強化等による住宅・建築物の耐震改修の促進など、地震対策の強化とうたわれている。木造個人住宅が対象かは定かでないが、今後共、国・県に対して強く求めて行く必要があると思う。

2、本市における地球温暖化防止対策の評価について

●市民の目に見えるような形で、市の強い取組の意志表示は出来ないか。(庁舎・総合支所に横断看板など)

●庁舎内取組の強化

◎日南市:温暖化防止大作戦展開
①月ごとに目標設定  11月:昼休みの消灯・公用車エコドライブ・コピー                用紙両面使用(本市実施済み)
12月:昼休みパソコン電源オフ・ごみの減量・事                 務のペーパーレス
1月:効率よく仕事し定時退庁・節水・ウォームビ                ズ
②家庭では風呂の残り湯で洗濯(1日当たりの二酸化炭素削減量7g)       自動車使用せず、自転車、徒歩で移動(同458g)買物にはマイバック持参(    同62g)など41項目のチェック用紙を全職員に配布・各家庭には環境家計    簿配布
◎花巻市:市内4地区347世帯モデル指定し、マイバック無料配布年間約1     4百万枚、1世帯月に約34枚のレジ袋がゴミ、1枚10gとすれば、年     間140トンの排出量となる例えば、
①すぐ出来る冬場の取組で、車に積もった雪を落とす前にエンジンをかけな  い。
②週に1度ノウ残業デイ
③公共交通機関・自転車・徒歩通勤にマル優制度などなど知恵を

3、地域農業再生・活性化の方向について①米価下落

1問目で申し上げたように、全ての農家の方がさぞ大変な状況と思いながら、知り合いの農家の方を訪ね、話しを聞いた。

●13hの専業農家の方 国の農政が変わるたびに一喜一憂などしていたら農業経営など出来ない。米価下落など10数年前から予測済み。転作は100%協力しているが、販売をJA1/3、業者1/3、自己販売1/3(特別栽培米)、転作面積には10年来同一品目作付けし研究、ようやく最近軌道に乗り、土作りの重要性痛感、命をかけて規模拡大しながら農業経営に邁進

11月14日農水省、戦後最大の農政改革の名の下に、今年度から始まったいわゆる大規模農家対象の品目横断的経営安定政策の見直し策にたいして、始まったばかりの政策をコロコロ変える農政には期待しない、食料自給率向上については重要としながらも、食料生産の重要性について国会、県議会、市町村議会でもっと議論すべき。カロリーベースの食料自給率での日本の自給率は世界120番台、北朝鮮の70番台よりも低いことの意味をなぜ議論しないのか怒り。

●16.5hの専業農家の方 転作100%協力約5h、全量JA出荷、米価下落直撃、単純に200万円の減収、現状の収入減少影響緩和交付金の額はさることながら、交付時期(通常次年度)を何とか早める支援は出来ないか。11月14日農水省、戦後最大の農政改革の名の下に、今年度から始まったいわゆる大規模農家対象の品目横断的経営安定政策の見直し策にたいして、始まったばかりの新政策をコロコロ変えることによって、取組み始めた担い手農家や集落営農組織に混乱が生じることを強く懸念

②産地作り交付金の一本化
●当面、政府の政策に真摯に取組む農家に少しでも手厚い支援を考えるならば やはり早急な一本化が必要。時期を再度確認。

③農業者個別所得補償制度議論
●現状の品目横断的経営安定政策と農業者個別所得補償制度は大規模優先か農業者全般対象かが大きく違う程度で、後は転作非協力者に対するペナルティ負荷の対応が後者の方が明確。農家は、どちらを求めていると認識しているのか。
3問目

建築基準法改正による建築業界の混乱や経済に対する深刻な影響、地球温暖化の深刻な状況が国民の食料危機に繋がる不安、地域農業再生と活性化の方向は、実は異質な課題のように見えるが、根っこは一緒で、国が国民の安全・安心・生活をまず保障する基本的責務をないがしろにしていることに、他ならない気がする。そうした中で、他を批判するだけでは何も解決しないことを認識する中で、いよいよ地方分権社会確立に自ら一歩踏み出すことが、求められている時代であろう。

今回、慣れない農業についていろいろ調べている中で、最も印象に残ったのが、先日のNHK番組「日本のこれから」に出演した、宮城県角田市で専業米農家経営を戦略的に進める面川義明さんのブログに記されたことばで、

「ちまたでは、小規模農家切捨てだの、大規模農家優遇だなどと、評論家的な 悠長な話をしているが、生産現場で感じることは、選別するほど稲作農家が、 現場にいない」という、極めて現実を直視した、つのる危機感から自らが、米 を作り続けることへの使命感に燃えて生きている姿です。酒田市も今こそ、市 民の目線でしっかりと地に足をつけ、まちづくりに取組むことが、未来を拓く ことだと改めて認識を致すところです。

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