3月定例議会 「ネット配信」
道路特定財源一般財源化こそ地方分権確立の方向
皆様大変お疲れのことと存じますが、私からも一般質問を申し上げさせて頂きたいと存じます。また、今定例会15番目の質問者と言うことで、多くの部分において前者と重複する点につきましては、何卒、ご容赦賜りたいと存じます。
まず初めに、地方分権確立に向かう姿勢についてと言う視点で、お伺い致します。質問に入る前に、地方分権社会構築の推進にかかるいくつかの点を思い出して見たいと思います。わたくしのあやふやな記憶や考え方を申し上げるのでは、誠に心もとないところでございますので、平成18年6月7日に地方6団体が国に対して提出した、「地方分権の推進に関する意見書」から抜粋させて頂きたいと思います。
【国会において、1993年に地方分権の推進を決議して以来、1995年に地方分権推進法が施行され、その後6年間続いた「第一次分権改革」は、自治体を「国の下請け機関」とみなしてきた機関委任事務制度を廃止し、国と地方を法制度上、「上下・主従」から「対等・協力」の関係に変えた。さらに、地方の税財政に焦点を当てた2002年からの「三位一体の改革」は、国から3兆円の税源移譲を実現した。これらの改革は、明治の近代国家形成期から昭和の高度成長期までの時代に、この国の基本的なかたちとして機能してきた「国が決めて地方が従う」という中央集権の原理を、「自分たちの地域のことは自分達で決める」という自治・分権の原理へ、歴史的に転換する貴重なステップだった。
しかし、権限と組織を頑なに守ろうとする中央省庁の壁は厚く、「三位一体の改革」では、3兆円の税源移譲が実現したとはいうものの、そのための財源を生み出すために必要だった多くの国庫補助負担金の廃止は見送られ、国の強い関与を残したまま国の補助負担率を引き下げる手法が用いられ、地方の自由度の拡大という点では不十分だった。日本の地方分権はなお、「未完の改革」にとどまっており、多くの国民の共感を呼び起こし、それを支えに改革をもう一度動かさなければならない。
この13年間の過程で得られた成果と経験を活かし、残された多くの課題を乗越えるためには、国民に夢を与える分権型の国の仕組みと社会の将来像を示し、暮らしに必要な公共サービスを効率的・効果的に提供し、文化や産業などの地域の個性を活かしたまちづくりができ、住民から信頼される自治体の姿を描くことが必要である】と書かれています。
まさに日本の社会システムが、明治維新以来の大変革に向けて動き出し、私達旧1市3町も「合併」と言う大事業を経る中で、このことを実現する極めて重要な歴史を刻んだのだと改めて認識するところでございます。
さて、そのことを踏まえながら以下3点について、お尋ねを致します。まず、1点目は市長が進める地方分権確立を目指す政策は、という点であります。書いてあるから良いとか、書いて無いから悪いとかの議論にするつもりはもうとう無いのでありますが、平成20年度施政方針の中に「地方分権」という表現は見当たらないようでありますし、平成19年度、平成18年度施政方針、あるいは平成17年12月議会で述べられた所信表明も読み返して見たところ、この所信表明に1箇所ございました。しかし、そこの表現も「地方分権が進む中、地方自治体には、今まで以上に、自己決定、自己責任による行政運営が求められています」という認識が示されてはいるものの、そのための政策が語られていないようでありますので、是非、この点について率直な所見をお示し頂ければと存じます。
次に、地方分権社会確立に向かう中で、道路特定財源維持を求める根拠についてお伺い致します。予算審議の中で、何度もお尋ねを致したところではあります。残念ながら本市における道路特定財源が何処の道路に幾ら、借金返済に幾らなど、具体的な流れについて今ひとつ明確な説明を頂けなかった点は、残念なことでありますが、精神論については一般質問で議論させて頂きたいとしておりましたので、改めてもう一度お尋ねをさせて頂くものであります。冒頭に地方6団体が国に示した「地方分権の推進に関する意見書のはじめに」の部分を申し上げたところでありますが、この意見書の7つの提言の5番目に示されております、「税源移譲に対応し、国庫補助負担金の総件数を半減(一般財源化)して約200とし、地方の改革案を実現」するための5項目にわたる提言があります。道路特定財源との表現はないものの、その内容には道路特定財源の一般財源化に通ずる精神が表現されていると認識しているところであります。
例えば、項目1.分権改革を進めるための税財政面の取組としては、国から地方への税源移譲が中心となる。これに対する国の財源については、地方から既に提出済みの「国庫補助負担金等に関する改革案」を着実に実施し、国庫補助負担金を廃止(一般財源化)することや事務事業を廃止することなどにより、国の責任によって措置すべきである。あるいは、項目5.国直轄事業負担金については、自治体に対して個別に財政負担を課する極めて不合理なものであることから、これを廃止する。特に維持管理費に係る国直轄事業負担金は、本来、管理主体が負担すべきことから、早急にこれを廃止する。と明記されています。まさに議論の渦中にある、国直轄事業で進められる道路づくりの負担や維持管理費の負担は廃止せよと、求めているものであります。さらには、平成16年8月24日に示された、地方6団体による、「国庫補助負担金等に関する改革案~地方分権推進のための三位一体の改革~」の中に、三位一体の改革の全体像という項目があり、(2)の①に、道路目的税である揮発油税の一部(税収見込みの50%)の地方譲与税化について検討する。【1.4兆円程度】と記されています。また、次の②には、道路目的税を財源とした地方道路整備臨時交付金及び国庫補助負担金を3兆円の別枠として廃止を検討する。【△1.4兆円程度】と記されています。これはまさに、道路特定財源の一般財源化と暫定税率の廃止と言うことでは無いのでしょうか。この地方6団体の改革案と意見書は、今さら申し上げるまでもなく、全国市長会や全国市議会議長会が決定したものであります。ここまで、明確に地方分権を進めるための指針が示されているにも関わらず、ここに来て「道路特定財源維持ありき」なのか、わたくしにはどうしても理解できないのであります。道路特定財源の一般財源化こそ、地方分権確立の試金石とすべきではないのでしょうか。言葉は不適切かもしれませんが、政府の言うことを聞かないと、道路財源を1円たりともやらないとでもおどされているのではないかと、疑いたくなってしまうのであります。是非とも道路特定財源維持を求める根拠をわかりやすくお示し頂きたいと存じます。
次に、市民が求める地方分権社会とは、どのようなものなのかについて、どのように認識されているか、お伺い致します。経済至上主義に基づく、小泉構造改革以来、国民に多くの痛みが押し付けられ、福祉、医療、教育、生活の後退が明らかで、若者が夢を描けない地方の疲弊が顕著になったことは今さら申し上げるまでもないことであります。この現状の中で、市民の皆様方が切実に求めている分権社会とはどんな社会なのでしょうか。先ほど述べさせて頂いた、地方6団体が示した「地方分権の推進に関する意見書」でも明らかな通り、「自分たちの地域のことは自分達で決める」そのためには、54年前にその時代背景から生れた、不合理な制度を見直す必要があると考えているのではないでしょうか。そのことが、昨日も議論されていたように、世論調査などに表れている気がしてならないのであります。率直なご所見をお聞かせ頂きたいと存じます。
次に項目の2番目として、教育改革の議論が進む現状から、子供たちの現状と教育の方向について4点お伺い致します。
1点目は、現状の教育方針における子供たちの現状と課題についてであります。詰め込み教育と競争競争に走った事の弊害が現れた時の議論から、「ゆとり教育」への転換の方針が出され、週5日制がスタートしたのが、十数年前のことだと思います。まずはそこの部分の比較から、見えてくる現状と課題についてご所見をお伺い致します。
2点目は、ゆとり教育に対する評価と総括についてであります。国際的な学力評価における日本の現状は、多くのデータから明らかでありますが、本市における分析についてお示しを頂きたいと思います。
3点目は、学力重視への方向転換に対する本市の対応についてお伺い致します。中央教育審議会から今年1月17日に文部科学省の諮問に対して出された150ページにわたる「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」という答申をホームページからダウンロードしてみたものの、あまりにも膨大で読みきれておりません。しかしながら、資料として添付されている、小学校の標準授業時数についての表によれば、6年間の合計が現行5367コマに対して、改訂では5645コマに拡大。中学校の標準授業時数についての表によれば、3年間の合計が現行2940コマに対して、改訂では3045コマに拡大。内容は、いずれも国語、社会、算数(中学校は数学)、理科、外国語が増えるとなっています。要するに、ゆとり教育の結果、学力低下を招いたので、それを単純に元に戻せばいいかのように思えてなりません。子供たちが荒れたことや、日本社会に氾濫する異常な事件などの現状から、教育の果たす重大な役割が、学力重視への方向転換で可能なのか、とても難しい問題だと思うところであります。本市教育委員会としての率直なご認識をお伺いできればと存じます。
4点目は、心の教育と給食のあり方についてお伺い致します。少し前に放送されたテレビ番組を見て衝撃を覚えてしまい、給食が子供たちの心を育てるために、極めて重要な役割を持っていることを改めて痛感したものであります。都会の小学生百数十名から、学校給食以外の家庭での4日間の食事の写真を撮ってもらい、合計枚数1070枚ほどの写真から、子供たちの食事の実態を探った内容でした。朝食は食べているとはいいながら、菓子パン、ロールケーキ、せんべい、せめて牛乳でも飲んでいるのかと思えば、ペットボトルのジュース。せめて夜は、温かいご飯と味噌汁、魚や肉、野菜などバランスのとれた食事かと思えば、配達のピザだったり、カップラーメン。この1070枚の写真から、ご飯、味噌汁、魚、野菜の煮付けなどいわゆる和食といえる写真を残す場面では、何と残った写真が40枚にも満たない結果だったのには、単なる驚きなどと片付けられない不安を覚えてしまいました。食事は個々の家族の問題であることも確かであります。しかしながら、次代を担うかけがえのない日本の子供たちが、日々の食事から生きる力や喜びを学ぶことは、何にも変えがたいものがあるはずです。確かに都会の子供たちの話なのかも知れません。仮に現在、私達の住む地域の話しではないとしても、そうならないという確信を持てるものではありません。そうだとするならば、いよいよ、学校給食の担う役割は、子供たちの食事を通して生きる力や喜びを学ぶ極めて重要なものであると言わざるを得ない思いになったのであります。心の教育と給食のあり方に対するご所見をお聞かせ頂きたいと存じます。
最後に項目の3番目として、県が目指す世界遺産登録活動への本市の姿勢についてお伺い致します。これまで、出羽三山と修験道をテーマに登録に向けて活動し、残念ながら登録までには至らなかったことはご承知のとおりであります。その時点での本市の関わりは、全くなかったのではないかと認識しているところでありますが、いかがだったのでしょうか。その後、昨年12月20日に「最上川の文化的景観」を新たに文化庁に提案がなされました。この提案において、最上川河口に位置する本市としては、北前舟の起点港としての文化的繁栄、山居倉庫を初めとする貴重な歴史的建造群の保存・継承の観点から、あるいは、交流人口拡大を目指す観光振興の観点などから、大いに積極的な関わりをするべきと考えるところであります。取組の現状と本市の姿勢についてお伺いを致しまして、1問目とさせて頂きます。
2問目
1.地方分権社会確立に向かう姿勢について
◆ 県議会意見書の経過、県知事の特定財源にこだわらない道路財源確保に対する考え方をどのように受止めているか。
◆ 昨日、総務大臣の諮問機関から道州制に対する答申が出されたようだ。それによれば、2018年には道州制移行が必要と示された。私たち市町村自治体も含め、いよいよ地方分権確立の最終段階を迎えることになると認識するが、どのように受止めるか。
2.子供たちの現状と教育の方向について
◆ 答申資料から、学校週5日制は守るとしているものの、学校・地域・家庭の更なる連携強化で総合的学習にあてるなど、土曜日の活用の内容をどのように受止めるか。
◆ 子供たちの食の現状などをしっかりと踏まえながら、給食が果たす役割を再認識する時代になったと思うが、今後こうした点についての調査や分析をする必要はないか。
3.県が目指す世界遺産登録活動への本市の姿勢について
◆ 先月、政務調査活動として、世界遺産登録の先進地である和歌山県新宮市を視察させて頂いた。「熊の古道が持つ文化遺産」がすでに世界遺産として登録された地である。本市より人口規模はかなり小さいが、世界遺産登録活動を契機に、市民が自発的に管理活動に動いたり、ボランティアガイド養成などなど、まちづくりの面でも大きな成果を得ているとのこと。また、街が何とも言えないしっとりとした清潔感あふれる美しさが漂っていた。
◆ 仮に本県が目指す活動が、世界遺産登録まで実現できないとしても、その活動に積極的に取組むことが、市民の皆様のまちづくりに対する意識高揚に大きな成果をもたらすものと確信する。どのように考えるか。
