県政クラブの石黒覚でございます。今年の冬は全国的な豪雪に見舞われまして、本県でも多くの皆様方が、日常生活にも支障が出るほどの状況がございました。そうした中で、雪による事故でお亡くなりになられた方々や、大変な怪我をされた方々に、改めましてこの場をお借りいたしまして、ご冥福とお見舞いを申し上げさせて頂きたいと存じます。
さて、吉村美栄子知事におかれましては、平成21年知事就任以来、10回目の予算ということで平成30年度の予算の提案がなされました。
振り返ってみますと、20年前の本県の予算は7200億円を超える規模でありましたが、その後の10年間で5600億円台まで縮小されました。吉村知事就任後は行財政改革にしっかりと取組みながら、6000億円から6200億円台の中で、県債残高も着実に減少させながらメリハリのある予算が執行されてきたものと評価致すところでございます。
現在、残念ながら人口減少の状況は、国、地方を問わず展開されている様々な歯止め政策にも関わらず、多くの予測に従うように進んでいると言わざるを得ません。あるいは、東京一極集中や大都市への人口流出についても依然として、続いていると言わざるを得ないところでございます。このような状況をしっかりと受け止めながら、吉村知事が目指します「自然と文明が調和した『新理想郷山形』」の実現に向けて、新たに挑戦する姿勢が表れた積極的な予算であるとの認識に立ちながら、県政運営の方向性について、順次ご質問を申し上げたいと存じます。
1 「観光立県山形の確立」の現状と取組み強化について
(1) インバウンド拡大の取組み成果を踏まえた今後の展開方向について(知事)
まず初めに「観光立県山形の確立」の現状と取組み強化についてお伺い致します。
一つ目は、インバウンド拡大の取組み成果と今後の方向についてでございます。
吉村知事はご就任から2年目に、千年に一度と言われた東日本大震災の未曽有の被害の中で、世界的に広がった風評によって、大打撃を受けた外国人観光客激減の状況を打開するために、国内外を問わず積極果敢に「トップセールス」を展開されております。
台湾、中国、韓国、香港などをはじめとするアジア地域はもとより、アメリカやロシアなどにも自ら足を運ぶ、本県のトップセールスウーマンぶりには、誠に頭の下がる思いでございます。
また一方では、日台観光サミットや国連世界観光会議など、これまで東北において開催されたことのなかった国際会議を積極的に誘致することなどにも力を注がれております。
先月1月18日から22日までの日程で、台湾トップセールスに出かけられました。私くしも団員の一人として参加致す機会を頂戴いたしました。今回のトップセールスの大きな目的は、教育旅行の拡大や山形牛をはじめとする県産品の販売拡大でした。知事のこれまでのご努力が、行く先々での大歓迎ぶりに表れていたものと感じました。
宜蘭県庁では、覚書締結時の県長である林聡賢(リン・ソウケン)氏が、平成29年12月に日本の農林水産大臣に相当する行政院農業委員会主任に就任され、その後任として代理県長に就任された陳(ちん)氏と経済交流・文化交流等における友好協力の覚書のさらなる進展の確認ができました。また、台中市では、教育旅行の誘致拡大に向けまして、林(りん)副市長、薛(せつ)台湾国際教育旅行連盟会長に協力を要請致しました。さらに台北市では、やまがた特命観光・つや姫大使として、頼(らい)台湾旅遊(りょゆう)交流協会理事長、木下日商東武鐡(てつ)道台北分(ぶん)公司(こうし)総経理、台湾各地で米沢ラーメン店経営の山形心(しん)心(しん)大橋社長、台湾人気ブロガー 三(さん・)小a(しょう・え) 氏の4名の方に委嘱を申し上げ、本県と台湾のさらなる交流拡大に向けた意見交換が行われました。そして、微風(びふう)広場という巨大デパートの食品売り場で、山形牛をはじめとする県産品のトップセールスでは、台湾の消費者の皆様方に直接、本県産品のアピールを強力に行われました。つや姫や山形牛はもちろんのこと、1個700円の朝日町産のリンゴが8個入った箱を2つ買っていく若いお父さんと子供さんに、私くしも思わず「ありがとうございます」と申し上げましたら、子供さんに“にっこりかわいい笑顔”を頂きました。
このように今後のインバウンド拡大に向けた機運が高まる中、これまでの知事のトップセールスなど県の取組みの成果を踏まえ、「観光立県山形の確立」に向けた、インバウンド拡大の今後の展開方向について、吉村知事のご所見をお伺い致したいと存じます。
(2) インバウンド拡大の具体的な取組みについて
(観光文化スポーツ部長)
次に、インバウンド拡大の具体的取組みについてお伺いたします。
本県におけるインバウンドの状況においては、台湾からの観光客が圧倒的なことは言うまでもございません。こうした状況は、テレビドラマ「おしん」の効果がきっかけであったことに加え、先ほども申し上げましたが、知事のトップセールスや日台観光サミットの本県開催、あるいは台湾開催への出席など等、相互交流の拡大がなされ信頼関係が強化された結果だと思います。先日のトップセールスについて、台湾の旅行産業雑誌「旅報(りょほう) トラベル トレンド ニュース」という週刊誌で、2ページにわたって紹介して下さっていました。本当にありがたいことだと思います。
また、先日行われました「国連世界観光会議」では、国内外から多くの観光関係者に参加いただき、雪国山形の魅力を大いにPRすることができたものと思います。この会議の中で、今後の新たな取組みとして知事自らが「雪と文化をテーマとした東北観光会議」について提案されていますが、具体的にはどのようなものなのでしょうか。
一方、「初」ということでは、本県にとりましては昨年、初めて外航クルーズ船の酒田港への寄港が実現いたしました。本県と関係市町村の一体的取組みによりまして、高い評価を頂き、今年は複数の寄港が決定しているとお聞き致しているところでございます。このように本県における最近のインバウンドの動きをみますと話題も多く、まさに今インバウンドの波をしっかりとらえ、県内にその効果を波及させることが大切であると考えております。そこで、今後のインバウンド拡大の具体的取組みについて、観光文化スポーツ部長にお伺い致します。
2 地方創生に向けた本県大学等の魅力づくりについて
先月中ごろ、東京一極集中の是正に向け、地方にある大学の振興や地方での若者就労促進を図る政府の関連法案について、報道各社が「東京23区内大学定員増10年間禁止の方向」を報じました。その後開会されました通常国会に提案がなされております。
この法案は、東京23区内の大学の定員増を10年間認めないことと、地方大学の振興や雇用創出策として、自治体が産業振興や専門人材育成に関する計画を作成し、政府が認定すれば交付金を支給するとなっています。平成30年度政府予算案には100億円が計上されているようでございます。現在審議中の法案ではございますが、政府としては年度内成立を目指している点も踏まえながら、吉村知事におかれましては、今定例会の知事説明におきまして、「東京23区内の大学の定員抑制や地方大学の振興、地域における若者の雇用機会の創出に向けた対策を講ずることとしております。こうした政府の動きを踏まえ、本県に若者を惹きつけ、定着・回帰を促す取組みを強化していかなければなりません。」と述べられております。その点を踏まえまして、以下、いくつかの点についてお伺い致します。
(1) 県立米沢栄養大学の現状と魅力づくりの方向について
(総務部長)
はじめに、県立米沢栄養大学の現状と魅力づくりについてお伺い致します。
平成26年4月に開学を致しました県立米沢栄養大学は、本年3月、初めての卒業生を社会に送り出すところでございます。健康栄養学部健康栄養学科という全国でも極めて珍しい単科大学として開学された県立米沢栄養大学は、今回の政府による東京一極集中是正を目指す、地方創生に貢献する魅力ある大学づくりという点からすると、まさに一歩先んじてスタートしていると言っても過言ではないと考えます。さらには、この4月からは大学院が設置される予定となっております。開学から4年間の志願者、受験者、入学生等の状況についてお示しを頂きながら、この度、初めての卒業生の就職等の状況についてお伺い致します。
また、県立米沢栄養大学におきましては、私もご提案させて頂いたことがございますが、大学在籍中に県立病院等において、積極的に現場体験や学んだことを提案できるシステムづくりに取り組んでいるなど、地域貢献も含め本県に残って頂ける取組みも先進的に展開頂いているところでございます。こうした取組みを基礎に致しながら、県立米沢栄養大学のさらなる魅力づくりをどのように進めていかれるのか、総務部長にお伺い致します。
(2) 県立保健医療大学の現状と魅力づくりの方向について
(健康福祉部長)
次に、県立保健医療大学の現状と魅力づくりの方向についてお伺い致します。
平成12年4月に開学致しました県立保健医療大学は、17年を経過致しております。看護学科、理学療法学科、作業療法学科という保健医療分野における専門職育成を目的に、特に近年は、恒常的な看護師不足等に対応するため、県内定着率向上にも強力な取組みを展開されていると認識致しております。まずは、近年の志願者、受験者、入学生等の状況についてお示しを頂きながら、就職先等を含め県内定着率の現状についてお伺い致します。
また、県立保健医療大学におきましては、これまでも大学の魅力づくりに積極的に取り組んでこられていると認識致しておりますが、県内定着促進を含めた、取組みの現状についてお示し頂きながら、今後さらなる魅力づくりをどのように進めていかれるお考えか健康福祉部長にお伺い致します。
(3) 県内の高等教育機関の情報発信力強化について(総務部長)
次に、本定例会冒頭での知事説明にありました「やまがた創生の展開強化」の5項目の取組みの3つ目にあります、「県内の高等教育機関の情報発信力を高めるとともに、若者の県内進学を後押しする取組みに力を入れてまいります」という施策の具体的展開についてお伺い致します。
本県においては、人口減少が急速に進んでおり、本県の活力を維持するためには、若者の県内定着・回帰を促す取組みは、待ったなしで進めなければなりません。
とりわけ、私が住んでおります庄内地域においては、今年度の学校基本調査によると、大学等や専修学校の専門課程へ進学する際の県外転出者の割合は、他地域に比べ極めて高くなっており、地元の高等教育機関にいかに多くの生徒に進学してもらうかが、喫緊の課題となっております。
県内の高等教育機関が、その魅力を伝えるためにどのように情報発信をしてきたかについては、おそらくこれまでは、高等教育機関それぞれが単独で行ってきたのではないかと推察致すところでございます。若者の県内進学を促進する魅力的な情報発信力を高めることは、高等教育機関が地方創生の一翼を担うためには、極めて重要な施策であろうと認識を致すところでございます。平成30年度に本県が進めます、県内の高等教育機関の情報発信力強化について、総務部長にお伺い致します。
3 庄内地域の観光振興について(観光文化スポーツ部長)
次に、庄内地域の観光振興についてお伺い致します。
庄内地域にとりまして、羽越本線の高速化、安定化は長年の懸案事項でございます。2005年の特急いなほ脱線事故以来、強風に対する基準が変わり、特に冬期間は中々安定的な運行の確保に苦慮するところにあります。JR東日本の様々なご尽力によりまして、ドップラーレーダーの設置や防風対策の強化を進めて頂いているところでございます。そうした中で、庄内地域にとりましては、悲願の一つでございました「羽越本線特急いなほと上越新幹線の新潟駅同一ホーム乗り換え」が、この4月15日から運用開始となります。先日、県議会主催の「県政の重要課題に関する意見交換会」に出席させて頂きました折にも、JR東日本の方々と、同一ホーム乗り換えがもたらす庄内地域の観光を含む振興に大きな効果を期待する、いくつかの具体策について意見交換を致して参りました。速達型上越新幹線との接続による時間短縮、庄内地域が首都圏から早く、近くなることの効果的なPRの必要性、平成31年度に新潟県と庄内地域で実施されるデスティネーションキャンペーン(DC)に向け、同一ホーム乗り換えによるDCの効果を一層高める取組みの方向などについて率直な意見交換をさせて頂いたところでございます。
庄内地域におきましては、ご承知のように「自然と信仰が息づく『生まれかわりの旅』 ~樹齢300年を超える杉並木につつまれた2446段の石段から始まる出羽三山~」、「サムライゆかりのシルク ~日本近代化の原風景に出会うまち鶴岡へ~」、「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間 ~北前船寄港地・船主集落~」という日本遺産があります。今年5月に開催予定の「北前船寄港地フォーラム」については、中国大連市で開催するようです。21世紀の北前船はいよいよ荒波を超えて世界に漕ぎ出していきます。また「鳥海山・飛島ジオパーク」が日本ジオパークに認定されております。付け加えて申し上げますと酒田市長におかれましては、「山居倉庫」の国の文化財指定に向けた取組みを示されております。また、庄内を知って頂くために、今年のNHK大河ドラマ「西郷どん」を積極的に活用するための取組みもされているようでございます。
知事説明でも「新潟駅新幹線・在来線同一ホーム化を契機とした『新潟県・庄内エリアプレDC』など県内各地における重層的な取組みを強力に展開し、観光立県山形を確立してまいります」と明確に述べられております。
一方、DCの展開は、「新潟県・庄内エリア」と銘を打っているわけでございますが、本県には最上地域、村山地域、そして置賜地域それぞれに、素晴らしい自然、文化、誇れる人々の暮らしがございます。DCの展開がこれらの地域にまで波及効果をもたらすための手段、人の流れをどのように構築していかれるのか。さらに申し上げれば、東北新幹線、山形新幹線を利用して置賜地域、村山地域、最上地域を経由して庄内地域への誘導をどのように進めていかれるのか。現時点での「新潟県・庄内エリアDCの取組みの方向」を含めた、庄内地域の観光振興について、観光文化スポーツ部長にお伺い致します。
4 地方創生をめざす住宅施策の推進について(県土整備部長)
(1) 本県住宅施策の方向と山形県すまい・まちづくり公社の役割について
次に、地方創生をめざす住宅施策の推進についてお伺い致します。
本県が策定しております「山形県住生活基本計画」を基本としながら進められております住宅施策は、人口減少社会においても「すべての人が健康で安心して暮らせる居住環境」を実現するため、本県の特性を最大限活用しながら取り組むものであります。それらは単に住みやすい住宅をつくるということに留まらず、人口減少社会の中で、本県の地方創生の一翼を担う住宅施策をめざしているものと認識致しております。
一方で、本県には昭和40年に設立された山形県住宅供給公社、愛称「山形県すまい・まちづくり公社」がございます。設立当初は、良質な住宅・宅地を供給することを目的に、住宅づくりそのものを担ってきたと思いますが、主な事業である大規模開発による公的宅地供給という従来の役割の必要性は希薄化していることから、平成17年度の「公社の見直し」におきまして、平成34年度に廃止されることが決まっておりました。しかしながら、人口減少対策とそれに伴う様々な問題が山積する中、公社が有する技術と経験を有効活用することができないか、本県議会におきましても、平成27年12月議会以降3回にわたり公社に期待される新たな役割が議論され、平成28年6月議会におきまして、知事から「『やまがた創生』をけん引する組織として有効活用したい」との答弁がなされました。こうした議論を踏まえ、昨年度実施された「公社等の総点検」により廃止を見直すこととされております。
このような経過を経まして、平成29年2月に公社は、「山形県すまい・まちづくり公社」と愛称を定め、「やまがた創生」に貢献する“新たな役割”として、人口減少の進展に伴う空き家の増加や、地域コミュニティの維持といった、まちづくりに関する課題について、事業を展開することとしています。
また、公社が実施する「地域づくり支援事業」の一つであります、人口減少地域での小規模宅地開発では、天童市山口地区の、民間事業者の参入が期待できない地域において、良質で求めやすい価格の宅地を整備し、子育て世帯に優先的に分譲した結果、小学生以下の子供が増え、朝のラジオ体操や地区の夏祭り行事等に子ども達が増え、地域が明るくなったと聞いております。まさに地方創生山形モデルと言っても過言ではない事業であろうと思います。
こうした中で、本県住宅施策の方向と山形県すまい・まちづくり公社の役割について、県土整備部長にお伺い致します。
(2) 本県における新たな住宅セーフティネット制度の活用について
次に、本県における新たな住宅セーフティネット制度の活用についてお伺い致します。
住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律、いわゆる住宅セーフティネット法の改正が、昨年10月に行われました。この法律改正の背景には、①高齢単身者が今後10年で100万人増加する ②若年層の収入がピーク時より1割近く減少している ③若年夫婦が理想の子供数を持たない理由のひとつに「家が狭いから」を挙げている ④ひとり親世帯の収入は夫婦子世帯に比べ43%と低くなっている ⑤家賃滞納、孤独死、子供の事故・騒音等への不安から大家の入居拒否などがあり、こうした状況を改善する法律改正が求められたものと考えます。
一方、住宅ストックの状況をみますと、①総人口が減少する中で公営住宅の大幅な増加は見込めない ②民間の空き家・空き室は増加傾向にあるなどの状況から、空き家などを活用し、住宅セーフティネット機能の強化が求められ、住宅確保要配慮者に対して民間の空き家・空き室を賃貸住宅として供給する新たな住宅セーフティネット制度が創設されたものと認識致すところでございます。
住宅確保要配慮者に対しての住宅供給は、これまでは県営住宅などの公営住宅を中心に行われてきましたが、この新たな制度により、民間の賃貸住宅を供給することで、住宅確保要配慮者の居住ニーズに、よりきめ細かく対応することができるとともに、増加する空き家・空き室など既存の住宅ストックの有効な活用にもつながるものと考えられます。
人口減少が進む本県におきましては、市町村独自で子育て世帯や若者・移住者向けの支援の取組みが行われております。例えば大蔵村では、子育て世帯向けに良質な住宅を低廉な家賃で供給する事業を行っているようですし、舟形町では、定住人口の確保を図るために、町内の民間賃貸住宅に入居する方への家賃補助が行われているとお聞き致しております。また、私の選挙区でございます遊佐町では、平成24年度から町単独事業として「定住住宅空き家利活用事業(借り上げ空き家リフォーム)」を実施いたしております。具体的には、空き家バンクに登録されている空き家を、遊佐町が10年間借上げ、予算の範囲内でリフォームを行い移住者に貸し出す制度だと聞いております。この事業の効果としましては事業開始から6年ほど、今年2月20日現在、9戸中9戸入居で25人の移住者ということでございます。また遊佐町では「空き家バンク事業」も行っており、平成24年度事業開始から28年度までの5年間で、今申し上げました「定住住宅空き家利活用事業」分も含み、県内外からの移住世帯が53世帯、127人の実績だと聞いております。厳しい財政状況の中、遊佐町のように町単独事業により前向きな地方創生に挑む姿こそが、地方の未来を拓くものではないでしょうか。こうした取組みにも県としての支援が届くことができればと、考えるところでございます。
一方で、今年の冬の豪雪は山形県人として60年以上も生きてきたものであっても驚いているような状況でありまして、雪の多い本県では、高齢者の雪下ろしによる事故などが、極めて深刻な事態になっております。私の近所の話題で恐縮ですが、400戸ほどの自治会の中にある8戸の隣組なのでありますが、何とそのうちの3戸が一人暮らし世帯、お母さんが長期入院していて一人暮らし世帯を含めると半分の4世帯が一人暮らしという状況です。また、近所で一人暮らしの兄弟の家と自分の家の除雪作業を毎日こなしている方もいます。まさに深刻な現状が猛スピードで進行していると言わなければなりません。高齢者の方々が冬期間におきましても、除雪負担の少ない住宅などの多様な居住ニーズに対応した住宅が求められているものだと考えます。
こうした状況を踏まえ、この制度を住宅セーフティネット機能の強化はもとより、本県が持つ特有の課題への対応として、地方創生に向けましての、真に有効なものとしていくためには、今後本県と致しましては、この制度の活用をどのように推進していかれるのか、県土整備部長にお伺い致します。