03年6月

議員になって初の一般質問、極度の緊張の中思いをぶつける

おはようございます。一番・石黒覚です。私にとって初の定例議会におきまして、一般質問の機会を得られましたことに、まずは感謝を申し上げます。何分、生まれて初めての経験でございますので、今までにない、極度の緊張感に包まれております。また、若輩の身であり、勉強不足も否めない事実でございますのでルール違反や失言が多々あろうかと存じますが、その折には議長をはじめとする諸先輩の皆様のご指導、ご進言をいただければ幸いに存じます。

さて、去る4月に21世紀にはいりまして、最初の統一地方選挙が行われました。この度の統一地方選挙には、様々な多くの課題が課せられていたと同時に、いよいよ本当の意味での地方の時代の始まりを告げる大切な選挙であったと感じております。質問に入る前に始めての発言と言うことで、私自身の時代認識についてのべさせていただきたいと思います。
私たちの祖国日本が経験した20世紀は、明治維新が生んだ民主主義社会へと大変革をした時代、軍国主義に傾倒し2度の世界大戦を引き起こした結果、復興の旗印を掲げ激走した時代、そしてその激走が原因となり、生み出された社会の歪がピークに達し、修正を迫られる現在と、長い歴史の中で最も激しく変革をしてきた、百年であろうと思います。そして、こうした経験の中で、現在の変革ほど不透明なものはない、と勘違いされているような気がしてまりません。
それは、過去に経験した変革のように、封建社会が悪いから民主主義を作るとか、領土拡大のためには、善悪よりも侵略だとか、国が壊れたから、がむしゃらに復興するしかないのだと言うような、分かりやすい目標であったのに比べて、現在の変革は、目先の目標が定まらない中での変革だと、思い込んでしまっているからではないのでしょうか。
今、私たちを取り巻く社会に次々と発生する、多くの悪しき現象は、現状をすべて否定するものでは決してないのですが、特に戦後の日本の中で支配的であった所の、物質的、金銭的豊かさを求めるあまり、あらゆる面において合理主義による価値判断が正義とされ過ぎたことが、大きな原因だと考えざるを得ません。
だとするならば、どこを目標に社会を変革して行くのかは、明らかであるはずで。
20世紀最大の革命とも言える、デジタル化された情報通信革命により、情報が瞬時に世界を駆け巡り、地球上のあらゆる人達と会話ができる。そうした時代だからこそ、人と人が目と目を合わせ、言葉をもって会話し、理解しあうことが必要とされる時代ではないのでしょうか。
私たちの子供や孫たちが主役の21世紀は、地球上で生きるすべての生物が、共生しうる環境を取り戻し、とりわけ私たち人間は、「心の豊かさ」を求めるための社会変革に、一丸となって取り組む時代であると認識したいものです。
小さくても他に誇れる平田町に生まれた、小さな私の、大きな夢であり「心の時代を切り拓き」次の世代へ責任をもって伝える目標であると、確信するところであります。

前置きが長くなりましたことをお許しいただき、質問に入らせていただきます。通告に従い、21世紀型地方自治のあり方について3点お伺いいたします。

まず一つ目に、前段長々述べさせていただきました、現状認識の立場から、人づくりに最大の投資が必要な時代であると考えます。人づくりの原点は、何と言っても次世代を担う子供たちの育成であろうと思います。昨日も、様々な議論がなされておりましたとおり、我が町の教育に対する姿勢は、他に誇れる施策の一つであると認知いたしております。しかしながら、あらゆる面で国際化が進む現状を考えたとき、そうした社会で大いに活躍する子供たちを育てるには、私たちが育てていただいた時代とは、まったく違った対応が必要なのではないでしょうか。
特に、いまだに縦割り行政の感は否めない事実であり、子供たちの教育は、教育委員会ありきの考え方が支配的ではないでしょうか。さらに、保育園は厚生労働省管轄、小・中学校は文部科学省管轄であるように、我が町においても各段階が、バラバラではないにしても「平田の子は、こう育てる」と言う一貫したビジョンの基に、あらゆる事業にからめた太い横軸のネットワークが必要不可欠と考えるのですが、町長のご所見をお伺いいたします。

二つ目は、行政サービスの多様化と住民自治の観点から、住民自らが知恵をしぼり、汗を流す住民相互の互助による地域づくりシステムの構築が急務であると考えます。例えば、大きな投資により整備がなされた環境の維持・保全のあり方や生活支援等のNPOあるいは、ボランティア団体等の育成及び支援対策の現状と課題について、町長のご所見をお伺いいたします。

三つ目は、加速度的に変化する現代社会の中で、依然として計画ありきの考え方に固執する、旧来型行政を改め常に住民ニーズを的確に把握するシステムの構築が急務と考えます。様々な計画の見直しや新たな計画策定の際に、より多くの住民の意見集約をめざすために、現状どのような方法がとられ、今後どうあるべきかについて、町長のご所見をお伺いいたします。

次に、合併後の我が町の教育環境のあり方について、3点お伺いいたします。

一つ目は、田沢小と東陽小の複式学級実施における、実状と課題及び評価について、広報等でも伝えられていることも承知いたしておりますが、直接お聞かせいただきたいと存じます。

二つ目は、教育の平等から見た、小規模校のメリット・デメリットについて、客観的判断をお伺いいたします。

三つ目は、現在の小学校3校体制の課題と将来像についてお伺いいたします。実はこの件につきましては、昨日、先輩議員であります斎藤孝雄議員からも、ご質問があったかと思いますが、私自身も本質問事項通告後に、総務厚生常任委員会の席上、口頭による教育委員会方針を伝えられたところであります。つきましては、誠にぶしつけとは存じますが、本日、町執行部側、議会側、並びに多数の傍聴の方々がいらっしゃる機会でございますので、改めてお聞かせいただければと存じます。

以上の点につきまして、答弁の後に再質問させていただくこともあるかと存じます。

《答弁省略 再質問内容》

いくつかの点で再質問させていただきます。
まず、人づくりの点でありますが、「国際人平田の子」を育てるためには、英語教育開始年齢の低年齢化を図ることが考えられます。そのことが、即保育園や小学校のカリキュラムに組み込むことは、かなり大胆な決断を要することだと思います。今後は大いに発想すべきだと思っていますが。
伝えられるところによりますと、群馬県太田市のアイディア市長で有名な清水聖義市長が提唱し、すでに外国語教育特区に認定された、ほとんどの授業を英語で教える、小中高一貫の「太田アカデミー」なるものも、すでに存在していることもあります。
まずは当面、教育の町平田が自信を持って進めてきた、中学生の海外研修事業の充実・拡大のために、利用できる制度をすべての課において、調査のためのアンテナをたかくすること。
また、企画と生涯学習が連携し、町内に在住する外国人の皆様との交流事業を活発に進める取り組みに、近隣町村の外国人の方々も巻き込み保育園児や小中学校児童生徒を含む交流会を数多く企画し、参加することで国際性を高める一助にする。あるいは、東北公益文化大学に、我が町独自で留学生を招致し、我が町にホームスティする変わりに、子供たちに指導していただくとか、農業技術の交換留学生制度を創設するなど、実現可能なアイディアを議論できる、横軸のネットワークを作ることは、そんなに難しいことではないと考えるのですが。いかがでしょうか。

次に、住民自治による地域づくりシステムの構築ですが、私が質問通告をさせていただいた後に参加いたしました、合併講演会の資料、あるいは昨日配布いただきました、市町村合併に関する資料にも同様の添付がなされています
「今後の地方自治制度のあり方についての中間報告」の中に、明確にその必要性が記述されております。地方分権時代の基礎的自治体の構築の項の一部を読みますと、

このような基礎的自治体の体制の構築にとって、もう一つの重要な視点は、地域における住民サービスを担うのは、行政のみではないと言うことであり、分権時代の基礎的自治体においては、住民や重要なパートナーとしてのコミュニティ組織、NPO、その他民間セクターとも協働し、相互に連携して新しい公共空間を形成していくことを目指すべきである。としています。
ぜひ、こうした考え方に基づき、先駆的に存在する、我が町の公民館制度や隣組制度の良いところを利用しながら、早急にシステムの構築に着手する時だと考えます。まずは、そのシステム構築に対し、行政・議会一丸となって知恵を出し合いたいものです。

そして、住民ニーズを的確に把握するシステムの構築ですが、
第1に「情報公開の徹底」が基本であると考えます。住民にとって現状認識の手段として必要不可欠なのが、徹底した情報公開だと認識します。
第2に、北川前三重県知事の提唱した「進化する行政」によれば、新しい時代の行政マンは、「どんどん朝令暮改をする勇気を持とう、恐れるな」と言っております。前例のないことへの不安に恐れをなしてはいけないと。どんどん変えて行く勇気こそが、住民の信頼を得る道であると。
第3に、行政はサービス業であると言う認識の基に、職員一人当たりの生産性を高めることと、プロセスまでクリアにする点において最も明快な「情報公開」の手段として、品質管理の世界基準であるISO-14001の取得を目指すことが必要であると考えます。先進地研修や検討された経過等があればお伺いしたいと思います。

大きな2番目の教育環境の3点に対して、ご答弁をいただき合併後を見据えた、我が町の教育環境のあり方について、今後具体的な議論がなされるための、指針が明らかになったと認識いたしたところでございます。
また、本年1月発行の公報に示された「平田町の小学校整備」に関する記事や、これまでの話し合いの場の設定に対する町の姿勢は、過去に経験した様々な問題に対する議論のプロセスと比較し、情報公開の視点からも、大いに評価できるものと思っております。そこで、今後の議論のあり方について、要望を申し上げたいと思います。

1、関係地域の個別課題ではなく、町全体の課題であると言う認識で、東陽小、田沢小、南小のPTAをはじめとする   各層が、同一ステージにおいて、議論がなされる環境の設定に努めていただきたい。
2、そうした議論の場の設定において、より多くの参集が得られ、意見の出やすい方法について関係者と十分な協    議をしていただきたい。
3、重要課題の議論の周知と言う点から、許される範囲において、私たち議会関係者にも会議開催の情報提供を賜   り、傍聴等の機会をいただきたい。

最後に、聖徳太子によって制定された憲法17条の第1に掲げられた「和をもって 尊しとなす」と言う精神こそ、合併等多くの課題を抱えた激動の時代を、住民と共に乗り越えて行くために必要な原点であると思います。お互いに精神誠意、議論を重ねてまいることを確認し、質問をおわります。ありがとうございました。

【10時26分 終了】