本日7月4日は、平成26年度6月定例議会最終日でした。提案された議案は全て原案どおり可決されました。今定例会には、2団体から集団的自衛権容認閣議決定反対の請願が提出されておりましたが、こちらは最大会派の自民党及び公明党の反対により不採択になりました。さらに、自民党会派から発議された「憲法改正の早期実現を求める意見書」に、下記の通り反対の立場から討論を述べさせていただきましたが、自民党会派の賛成多数で可決されました。
県政クラブを代表いたしまして、ただ今議題になっております、発議第15号について、反対の立場から討論申し上げます。
発議第15号「憲法改正の早期実現を求める意見書」(案)に示される意見では、我が国をめぐる内外の諸状況が大きく変化する中にあって、
国際紛争や我が国を取り巻く東アジア情勢、国の危機管理すら明確な根拠がないとすることを示していますが、まさに本意見書は、このことを改正するために、憲法96条に定める3分の2条項を改正して、国会議員の発議要件を緩和する考えであることは明らかであります。憲法は、権力を持つ側が守るべき最高規範であることは言うまでもありません。守る側が縛りを緩めることは、我が国の立憲主義を損ねることになりかねません。加えて憲法99条で定めている憲法尊重擁護義務に反するとも言わざるを得ないものであります。
また発議第15号では「憲法を国民の手に取り戻す」としておりますが、現憲法のもとで70年近くにわたり、多くの法律が作られ、平和で基本的人権が守られ、戦争に巻き込まれることも無く、更には国際貢献も行われ、国民は安定した暮らしを獲得できていると考えます。
また、自民党の憲法草案では、国民の基本的人権が大幅に制限されています。例えば憲法第21条「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は保障する」となっていますが、その現行に追加し「前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない」との表現になっています。統治する権力者側の判断で表現の自由が拘束される懸念が生ずる危ういものであります。ましてや、憲法第2章の「戦争の放棄」が安全保障に変わり「国防軍」の保持を目指しています。
私たち責任世代は、次の時代を生きていく、私たちの子どもたちや孫たちに、澄み切った平和な日本、地球を継承する重大な役割を担っています。そのためには、発議第15号を認めるわけにはいきません。以上、発議第15号に対する反対討論と致します。