おはようございます。県政クラブの石黒覚でございます。
まずは私からも、ロシアのウクライナ侵略によって子供たちから笑顔を奪い、未来を奪うことなど絶対にあってはならないことを申し上げたいと思います。更にプーチン大統領は、ウクライナの原子力発電所に砲弾を打つという、あってはならない暴挙にでたことは、人類史上に消すことのできない汚点を残すことになりました。一人一人の声は小さいかも知れませんが、山形県から、日本から、そして平和を希求する世界中の人々と一緒に、プーチン大統領の癲狂と言うしかない蛮行に、最も強い言葉で非難するものでございます。
そして私たちは、もう一つ忘れてはならない日が近づいてきました。11年前の3月11日です。東日本大震災です。あれから11年が過ぎる現在でも、いまだに全国に3万8千人を超える、本県にも1400人を超える避難者の方々が、いらっしゃることを私たちは決して忘れてはならないと思うところでございます。
ロシアの砲弾に倒れたウクライナの人々と東日本大震災で犠牲になられた人々のご冥福をお祈り申し上げますと共に、ウクライナに1日も早く平和が戻ること、そして東日本大震災から1日も早い完全な復興がなされますことを強く望むものでございます。
また今年の大雪は、県内でも多くの犠牲者を出してしまいました。先日テレビのニュースでも報じておりましたが、白鳥が例年になく死んでいます。私の家の隣に飛鳥沼という小さな沼があるのですが、この周辺で、2月中頃から毎日のように死んだ白鳥が見つかり20数羽になっています。ニュースでは酒田地域で60羽ほど見つかり例年の7倍と伝えていました。大雪で田面が現れず、餌をとることができなかったために、餓死したのではないかと庄内総合支庁環境課の方がおっしゃっておりました。豪雨、大雪など近年の気候変動による影響は、こうしたところにも顕著に表れることを痛感した次第です。地球温暖化対策も待ったなしの状況です。令和4年度がコロナ禍が収束し、本県にとりまして穏やかな1年になりますことを願いながら、質問に入らせて頂きたいと思います。
《質問》
1 東北公益文科大学の公立化及び機能強化の進め方について
東北公益文科大学の公立化と機能強化の進め方について、お伺いいたします。
公設民営という形で設置されました、東北公益文科大学の公立化と機能強化につきましては、これまで何度となくご質問申し上げて参りましたし、先の12月定例会におきましても、代表質問の中で、具体的な公立化の時期などをご質問申し上げたところでございます。
昨年12月定例会は、吉村知事ご不在という状況もございましたので、従来の答弁を踏まえながら、庄内地域2市3町の実務者との間で、基本的な考え方や県と2市3町との役割分担などについて、継続的な検討を進めており、一つひとつ、丁寧な議論を積み重ね、基本的な方針を定めることに注力していくとのご答弁をいただいたところでございます。
今定例会におきましても、代表質問や一般質問で、複数の議員から本大学の公立化について質問がありまして、期せずして、この問題に対する県民の関心の高さが、現れているものと認識を致すところでございます。
地域の持続的発展に向けまして、本大学への期待は極めて大きいものがあると考えます。また、これまでの関係者のご尽力により築かれた実績を土台にしながら、今後も地域活性化の担い手として、必要不可欠な存在であると確信いたすものでございます。
これまでの答弁をお聞き致す限り、設置団体のあり方や、財政負担の在り方など、克服すべき課題について、この先の協議が見通せない事情もおありなのでしょうが、一方、こうした課題に対しましては、当面、目先の目標を共有しておく必要もあり、そこから一歩が前に進んで行く場合も多いのではないかと、感じるものでございます。
そこで、これまで進めてこられた2市3町との実務者の協議を基本に、令和4年度の目途として、どのようなことを目指すのか、吉村美栄子知事のお考えをお伺いいたしたいと存じます。
誠に蛇足ではございますが、この2月3月にドットJP主催の議員インターンシップで、インターンの学生さん2名をお預かり致しております。今年はたまたまですが、東北公益文科大学の2年生お二方でございまして、私と一緒に酒田から通っております。吉村知事の政策を前に進めるお力で、本県の未来を託す若者たちの学びを持続可能なものとして頂きますよう、ご期待申し上げるものでございます。
《答弁:知事》
東北公益文科大学は、我が国で唯一の「公益学部」を持つ大学であり、本大学の設立宣言にありますとおり、人や心を本位とする時代に即した有為な人材を、庄内地域を始めとする県内各地域に向けて、多数輩出していただいております。
また、コロナ後の社会を見据えて、昨年11月に政府が示した、新しい資本主義の実現に向けたビジョンでは、持続可能性や、「人」を重視して、新たな投資や成長につなげることとしておりますことから、本大学の設立宣言で掲げる理念は、このような視点を先取りしたものと考えております。
本大学の公立化と機能強化に向けた総合的な検討につきましては、これまでお答えしてきたとおり、県と庄内地域2市3町との間で、基本的事項である公立大学法人の設立主体のあり方、法人の組織・運営の手法や財務の仕組みなどを始めとして、幅広く意見交換を行い、認識の共有を進めてまいりました。
一方で、公立大学は、地方公共団体の高等教育施策に係る中心的役割を担いますことから、地域活性化の推進や若者の地元定着など、本県として解決すべき行政課題に対応した人材育成の機能等については、県内の高等教育機関それぞれの役割・機能を踏まえて考えていく必要があります。
先週2月28日に開催された本大学の理事会におきまして、新たに、平山副知事が副理事長に選任されましたので、これを一つの契機として、大学とも連絡・調整を図りながら、目指すべき公立大学のあり方につきましても、検討も進むのではないかと考えております。
また、本大学は、県と当時の庄内地域全14市町村が協力して設立した大学であり、私立大学ならではの柔軟な大学運営とするため、公設民営方式と決定し、今日に至っております。
私立大学から公立大学に移行した他県の先行事例などを踏まえますと、代表質問や一般質問でもお示ししましたとおり、組織体制や、ランニングコストとして毎年度継続的に生じる財政負担の在り方など、将来にわたって、各自治体の運営に影響を及ぼす事項について、一つひとつ、丁寧に議論を尽くすことが求められております。
こうした状況を踏まえ、令和4年度は、実務担当者よりも高いレベルでの議論も含め、大学運営に関する専門家の意見も伺いながら、公立化と機能強化に係る方向性をとりまとめてまいります。
《質問》
2 政府の看護職等の処遇改善政策における現場の対応と課題について
昨年10月の衆議院議員総選挙の後に再スタートを切られた岸田政権が、その直後の11月19日「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」の中で、「未来社会を切り拓く『新しい資本主義』の起動」と称し、分配戦略~安心と成長を呼ぶ「人」への投資の強化~として、公的部門における分配機能の強化等を掲げ、看護、介護、保育、幼児教育などの現場で働く方々の収入の引き上げを、閣議決定しました。
また、この2月22日の衆議院本会議において令和3年度補正予算、令和4年度予算等が可決されました。前段申し上げました、新型コロナウイルス感染症への対応と、少子高齢化への対応が重なる最前線において働く方々の収入を引き上げることが盛り込まれたものでございます。
看護職員等処遇改善では、地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関(※印で説明があり、救急搬送件数200台/年の医療機関及び三次救急を担う医療機関)に勤務する看護職員が対象で、収入を1%程度(月額4千円)引き上げる。
また介護職員処遇改善では、賃上げ効果が継続される取り組みを行うことを前提として、収入を3%程度(月額9千円)引き上げる。
また保育士・幼稚園教諭の処遇改善では介護職員同様に、賃上げ効果が継続される取り組みを行うことを前提として、収入を3%程度(月額9千円)引き上げる。
例えば、看護職員処遇改善では、看護師、准看護師、保健師、助産師が対象となり、医療機関の判断で、看護補助者、理学療法士、作業療法士等コメディカルの賃金改善に充てることが可能となっているようでございます。
一方、県立病院において対象になるのは先ほどふれました救急搬送の台数や三次救急を担う病院という条件から、県立こころの医療センターの看護職員は対象外と伺っております。
賃金水準を引き上げることに、異論を申し上げるわけにはいかないと認識しながらも、本来、賃金というものは労使交渉によって決められるものと認識致しておりますし、公務員の皆様方には人事院勧告制度がある訳でございます。何よりも同じ職場で働く方々が、今回の政策によって格差を助長し、あるいは同一職種においても賃金に格差が生じないのか、極めて疑問なところでございます。更には、この2月から本年9月までの期間となっていますが、その後は地方自治体や民間事業者に任せることになるのならば、継続が望めるのかはなはだ不透明だと、考えてしまうわけであります。
申し上げましたように、看護職の処遇改善はとてもありがたいことだと思いますが、対象となる看護師と対象にならない看護師、医療機関の判断で、看護師のみ対象で他のコメディカルは対象外、病院によっては救急搬送条件を満たさない、例えば「県立こころの医療センター」は対象外など等、格差是正が叫ばれる現状において、格差を生み出す危険はないのか。また、処遇改善が実施される看護職においては、月額4000円はボーナスの計算対象になるのか、一般的に考えるならば、月額アップの部分がボーナスの対象外というのも矛盾に思えるわけですが、まずは現時点でどのように具体的な進め方をするのか、課題は何かについて病院事業管理者にお伺いいたします。
《答弁:病院事業管理者》
看護職員の処遇改善の具体的な手法としましては、政府の補正予算に盛り込まれた看護職員等処遇改善事業を活用し、この事業の対象となるための所定の要件を満たす中央病院、新庄病院、河北病院の3県立病院に勤務する看護師、助産師、准看護師に対して、2月に遡って月額4,000円の特殊勤務手当を支給するものであります。この単価は、財源となる国庫補助金の「1人当たり月額平均」として示されたものと同額であり、今回はその全額を期末・勤勉手当の算定基礎とはならない月額特殊勤務手当として支給することとしております。
この度の看護職員等処遇改善事業の課題としては、①県立病院の中でも支給対象外となる病院があること、②薬剤師以外のコメディカル職員を処遇改善の対象に加えることができるよう柔軟な運用が認められている一方で、財源となる国庫補助金の算定基礎にはそのコメディカル職員の人数が含まれないことなど、勤務する病院や職種による職員間の格差感や不公平感を生じさせかねない課題があると認識しております。また、看護職員等処遇改善事業終了後の、10月以降の処遇改善の制度内容が現時点で明確に示されていないことについても大きな課題であると認識しております。
病院事業局としましては、政府の補助事業(看護職員等処遇改善事業)の趣旨に鑑み、2月から9月までの処遇改善については、中央病院、新庄病院及び河北病院に勤務する看護職員を対象として実施することとしますが、補助事業終了後の10月以降については、今後、診療報酬改定により診療報酬制度の中で措置されることになっておりますので、その議論の状況を注視しながら、どのように処遇改善を実施すべきか改めて検討してまいりたいと考えております。
《再質問》
一方で、令和3年度新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業の医療分による支援のうち、病床確保料の一部は医療従事者に対して処遇改善を行うために用いることとすると、なっているようでございますが、県立病院では、こうした対応はどのようになっているのでしょうか。
3 本県における食品ロスの現状と課題について
次に、本県における「食品ロス」の現状と課題についてお伺いいたします。
実はこの質問は、昨年お預かりいたしましたインターン生2名が農学部の学生ということもあって、意見交換する中でお尋ねをする予定だったのですが、時間切れで質問できずに、一年後の今日になってしまったものでございます。今年のインターン生も「環境」という切り口で、地球の未来を考えたいという思いを持っていると聞きましたので、改めてお伺いすることと致した次第でございます。
昨年だったと記憶いたしておりますが、NHKスペシャルでSDGsキャンペーンとして「2030未来への分岐点」という番組が放映されました。
1回目が「暴走する温暖化“脱炭素”への挑戦」
2回目が「飽食の悪夢〜水・食料クライシス〜」
3回目が「プラスチック汚染の脅威 ~新たな社会システムは構築できるか~」の2回目で取り上げられたものです。この番組が伝えた「食品ロスの現状」は、驚くばかりの状況でした。世界の食品ロスは、世界の食糧生産量の3分の1に相当する13億トンが捨てられ、日本でも食べられるのに捨てられるいわゆる「食品ロス」が、2017年度推計値で612万トン、(2019年度推計値で570万トン)捨てられています。これはほぼ東京ドーム5杯分になり、国民一人当たり毎日お茶碗1杯分捨てているそうです。一方世界では、9人に1人が栄養不足で、飢餓による死亡者も増加するばかりだと報告されています。
さて、こうした状況の中にあって、本県では「第3次山形県循環型社会形成推進計画」が策定されています。これまでも「食品ロスの削減」を「ごみゼロやまがた県民運動」の展開方針の柱に位置付け取組んできていましたが、令和元年10月「食品ロスの削減の推進に関する法律(食品ロス削減推進法)」が施行され、県民運動の更なる強化が求められているものと考えます。
県では、令和3年度事業として新規に、①協力店と連携したテイクアウトボックスの実証実験 ②高校生を対象とした環境にやさしい料理レシピコンテストの開催 ③専用ウェブページとSNSによる周知啓発などに、取り組まれたものとお聞き致しております。今月初めの山新記事によりますと、「テイクアウトボックス」による残った料理の持ち帰りが、飲食店に好評との報道がございました。
そこで、本県における「食品ロス」の現状と課題をどのように分析され、今後さらにどのように対応、計画実現を目指すのか、環境エネルギー部長にお伺いいたします。
《答弁:環境エネルギー部長》
我が国では、まだ食べることができる食品が生産、製造、販売、消費等の各段階で日常的に廃棄されて大量の食品ロスが発生しており、家計負担や行政経費のほか、エネルギー・労働力等に無駄が生じ、CO2排出量増加にもつながっています。本県も同様の状況です。
食品ロス発生量については、家庭や事業所のすべての食品廃棄物から食べ残しや売れ残りなどを分類することは不可能なため、政府では一定の推計方法で計算しており、本県でも準じて試算したところ、令和元年度の家庭系食品ロス発生量は約2万4千トンとなり、平成30年度より約1千トン減少したものと捉えております。
このような状況を踏まえ、県では、より一層の食品ロス削減に向け、県民の更なる意識改革が必要と考え、昨年3月に策定した「第3次山形県循環型社会形成推進計画」を食品ロス削減推進法に基づく「食品ロス削減推進計画」としても位置付け、今年度から取組みを強化しているところです。
具体的には、飲食店から残った料理を持ち帰るテイクアウトボックスの普及に向け、28店舗で実証実験を行い、お客さんへの勧め方や材質・形状等効果的な活用方法を検証しております。また、食材を無駄なく使う「環境にやさしい料理レシピコンテスト」の対象を次代の担い手となる県内高校生に絞って募集しましたが、過去最高だった昨年度の1.5倍となる199件の応募がありました。さらに、県ホームページに「みんなで減らそう食品ロス!」と銘打った専用ウェブページを開設するとともに、県SNSも活用して情報発信と啓発を行っております。加えて、未利用食品の有効活用を図るため、県庁と庄内総合支庁で初めてのフードドライブを計3回開催し、職員が持ち寄った食品をフードバンク団体に提供しました。また、小盛りメニューの設定や閉店間際の値引き販売等に取り組むもったいない山形協力店の登録数が昨年度末より89店舗増の424店となるなど、県民・事業者の意識は高まってきていると考えられます。
来年度は、テイクアウトボックスについて、今年度の実証実験結果を踏まえ、協力店を約70店舗に拡大して本格展開を図ります。また、新たにコンビニ・スーパーなどで来店客が商品棚の手前に並べられている販売期限の迫った食品から積極的に選ぶ「てまえどり」の啓発資材を650店舗に配布するとともに、フードバンク団体に委託し、地域や職場でのフードドライブ活動の普及拡大に向けた講演会や研修会を開催することとしております。
これらの取組みをさらに進め、令和12年度の食品ロス発生量を1万8千トンに削減する目標の実現を目指してまいります。
《質問》
4 小児の新型コロナワクチン接種について
次に、先週3日の山形新聞に掲載されておりましたが、本県におきましても、5歳~11歳の新型コロナウイルスワクチンの接種が2日から始まったようでございます。この件に関しましては、先月の厚生環境常任委員会で、同僚議員でございます今野議員がお尋ねを致しておりましたが、私からも改めましてお伺いを致しておきたいと思います。
私自身は、前期高齢者の仲間入りをしていますので、既に3回目のワクチン接種まで終了しております。1,2回目で副反応らしいものは全くなかったのでございますが、先月接種した3回目は、次の日の朝に38度の熱が出て、節々が痛いなどの状況になりました。これが副反応ということなのかと、改めて感じた次第でございます。また、私の妻は、3回とも次の日に熱や倦怠感を感じて、かなりきつそうでした。こうしたことを考えると、5歳~11歳の子供たちにおけるワクチン接種に関して、打つ、打たない、の判断をすることになる保護者の方々のご不安な気持ちはよくわかります。私の所にも、そうした不安を訴えてこられる県民の方がおられます。
一番は、国内における治験がなく、厚労省のホームページ等におきましても、副反応に関する詳細なデータが少ない、山形県として県民に対する情報提供が少ない、などの事からとても不安なのだとお聞きしています。一方で、学者や医療関係者にも小児のワクチンに警鐘を鳴らす方々がいるわけでございます。そうしたことを踏まえると、これらに関する持っている情報を、副反応等のデータも含め、的確に県民の皆様方にお伝えすることが、重要だと考えるところでございます。小児へのコロナワクチン接種の判断をする保護者への情報提供について、健康福祉部長にお伺いいたします。
《答弁:健康福祉部長》
5歳から11歳の小児へのワクチン接種につきましては、確かに国内での治験データはございませんが、諸外国での治験データや接種の実施状況、また、医学の専門家の意見等も踏まえた上で、ワクチンとしての有効性・安全性が認められるとして、政府において1月21日に薬事承認が行われております。
一方で、現時点で、オミクロン株に対する発症予防効果・重症化予防効果に関するエビデンスが確定的でないということから、接種の「努力義務」は適用されないこととなり、また、日本小児科学会では、保護者による主治医への相談を前提としながらも、基礎疾患のある子どもの重症化を防ぐことが期待されること、また、健康な子どもについては、メリットとデメリットを本人及び保護者が十分に理解した上で、接種を受けられるようにきめ細やかな対応が必要であることなどの見解が示されております。
こうしたことから、委員ご指摘のとおり、小児のワクチン接種にあたっては、感染症予防の効果と副反応等のリスク双方について、正しい知識を持っていただいた上で、保護者の意思に基づいて接種の判断をしていただくことが重要であると考えております。厚生労働省では、2月上旬から順次、小児接種についてのお知らせのホームページで、5歳から11歳の子どもとその保護者向けの小児用ワクチンの効果や安全性などについて、わかりやすく解説したリーフレットや、保護者向けのワクチンの説明書、また、Q&Aなどを掲載しているほか、副反応に関するデータも同様に公表し、接種の判断の材料になる情報を提供しております。県におきましても、政府で作成したこうした広報資料や国立感染症研究所長へのインタビュー動画を県ホームページに掲載するとともに、県内市町村に対しても様々な媒体を通した周知・広報をお願いしているところです。
また、小児へのワクチン接種につきましては、小児科医の確保が必要となります。市町村によっては、小児科医の確保が困難なところもございますので、地域によっては、私ども県も調整に入り、広域での接種体制を整えるなど、準備を進めてきたところです。なお、小児用ワクチンは、2月下旬から政府の供給が始まっております。県内の早いところでは3月初め頃から接種が始まっております。昨日までに、県内では3つの自治体で接種が開始されており、今月中旬以降、順次接種が本格化してまいります。
県としましては、保護者の皆様が、科学的知見に基づく正確な情報をもとに適切に判断していただき、希望する方が安心して接種できるよう、市町村と連携し、情報発信に努めてまいりたいと考えております。
【質問者から教育長への意見】
一方、保護者の方々のご心配は、ワクチンを打った、打たないについて、学校の中で話題になり、そのことが「いじめ」の原因にならないのか、との意見も届けられました。まさにあってはならないことでありますが、新型コロナウイルス感染症が本県でも確認された当初、「感染したのはあそこの家のだれだれだそうだ」「感染者の家に石が投げられた」「感染後、職場で嫌がらせにあって引っ越した」などの、噂話が絶えなかったことを振り返ると、子どもたちの中で、このことが決して「いじめ」のきっかけになってはならないと強く思うところでございます。教育長におかれましては、こうした保護者のご心配をしっかりと共有頂きまして、年度末、年度初めの行事慌ただしい中にも、緊張感をもって子供たちを導いて頂きますようお願い申し上げます。
《質問》
5 行政デジタル化の推進について(総務部長)
最後に、行政のデジタル化に向けた取り組みについてお伺いいたします。この件に関しましては、今定例会におきましても、既に何名かの議員から質問があったところでございまして、まさに時代が大きく変化する只中にあるということを、痛感するものでございます。そして、その変革をより加速させる必要が、大きく求められるきっかけの一つが、新型コロナウイルス感染症の拡大であることも事実として受け止めなければならないと思うところでございます。
さて、少子高齢化によりまして、我が国の労働力人口の減少は加速致しており、この対策として政府が働き方改革を提唱し、実行計画を定めて各種施策を実施するようになりましてから、既に5年が経過いたします。
この間、労働者、特に若い労働者の意識に大きな変化があり、仕事と家庭生活の両立が可能な環境を整える「ワーク・ライフ・バランス」の推進は、企業が優秀な人材を集めるために必要な要素の一つになっているものと思います。
民間企業では、WEB会議やリモートワークなど業務のデジタル化を図ることにより、この課題に前向きに対応しているところが多く見受けられます。
多くの職員で組織される企業体の一つであります「県庁」でも、こうした課題に前向きに取り組み、優秀な人材を確保する必要があると考えます。
そこで、働き方改革の観点から県庁全体の行政デジタル化に、どのように取り組んでこられたのか、総務部長にお伺い申し上げます。
《答弁:総務部長》
質の高い行政サービスを提供するため、県行政のデジタル化を進めることは極めて重要であると認識しております。このため、県では、職員のテレワークやWEB会議などを推進してまいりました。
働き方改革の視点では、紙中心の業務スタイルを見直し、自席にとらわれないワークスタイルを推進するため、フリーアドレスの実証に取り組み、書類を6割削減するなど、執務環境の改善につなげるとともに、若手職員の意見を取り入れながら、執務時間中はモバイルワークや小規模打合せを行うスペースとして、時間外は業務外の活動スペースとして多目的に利用できるミーティングスペース(「そららぼ」)を、県庁舎16階に整備し、1月下旬から利用を開始しているところです。
また、WEB会議についても、一人1台パソコンからZOOMへの接続にいち早く取り組み、在宅勤務を含め積極的なモバイルワークの推進により、WEB会議の開催回数は、令和元年度実績の年間319回から令和3年度は1月末現在で既に約7,000回と、20倍以上に拡大しております。
更には、AIを活用した会議録作成支援システムの導入拡大により、利用回数は、昨年度のおよそ2倍となる374回を数えており、アンケートによれば、作業時間がおよそ半減されたとの評価を得ています。また、パソコン入力の作業を自動化するRPAの導入においては、7割から9割もの作業時間の削減効果がありました。
令和4年度は、これらの取組みを更に拡充するとともに、デジタル技術をより積極的に導入・活用することで、柔軟で自律性の高い働き方を実現し、生産性の向上に結びつけてまいりたいと考えております。
《再質問》
私は、ハード面を含めて県庁全体でデジタル社会に対応した県行政事務の基盤づくりを整えることが必要であると考えます。 さらなるデジタル社会の進展が見込まれる中、将来を見据えて、県行政のデジタル化にどのように取り組んでいくべきと考えておられるのか、職員育成の観点も含めて、お伺いいたしたいと思います。
また、大瀧部長におかれましては、平成31年4月に山形県に来られ、企画振興部長、みらい企画創造部長、令和2年7月からは総務部長と、3年間、山形県のために御尽力を賜りました。人事についてはまだわかりませんが、いずれは総務省に戻られると思います。本省に戻られても引き続き山形県の応援をいただきたいと思っております。
個人的には、昨年の秋に秋田県のご実家でコンバインを運転して稲刈り作業をされているSNSの投稿が、とても身近で親しみ深く心に残っております。地方の時代は、大瀧部長から開かれていくと言っても過言ではないと思います。
そこで、大瀧部長は、各地の自治体を経験されてこられたと思いますが、山形県の感想や今後に期待することなどについてお伺いできればと思います。