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平成25年10月23日 決算特別委員会質疑

平成25年10月23日 決算特別委員会質疑

1 知事一期目の成果と今後の県政運営について(知事)

県政クラブの石黒覚でございます。私からも平成24年度決算について、お伺いいたしたいと存じます。平成24年度は、吉村美栄子知事一期目最終年度でありました。

平成21年2月の知事就任以来、吉村知事が掲げられました「あったかい県政」の推進が、県民皆様方に広く浸透されましたことは言うまでもなく、千年に一度とまで言われ、本当に多くの犠牲者を出した3・11東日本大震災、福島第一原発事故後にありながらも、被災地に寄り添い、避難者を温かくお迎えし、本県のできる限りのことを機敏に実施されてきたことに、心より敬意を表するものでございます。一方で、吉村知事が掲げられました多くの公約が見事に成果として現れた4年間であったと、私は認識をいたしているところでございます。

①雇用創出、②農林水産業産出額、③つや姫ブランド化、④海外との経済交流拡大、⑤教育分野では教育山形「さんさん」プランの完全実施、私学振興、⑥子育て分野では合計特殊出生率向上、⑦医療分野ではドクターヘリの導入、⑧産業振興では有機エレクトロニクス拠点整備、先端生命科学研究所を中心にしたバイオ技術開発支援、⑨山形県エネルギー戦略の策定から、再生可能エネルギー導入実施及び支援、⑩酒田港振興、日沿道、東北中央道などの社会資本整備、挙げればきりがないほどの成果でございます。しかし、そうした中においても、行財政改革の推進もしっかりと進められました。事務事業の見直し、人件費の削減、歳入の確保、実質的な県債残高の削減など、まさに持続可能な山形県づくりにまい進されたものと存じます。

知事一期目の成果を知事はどのように捉え、今後の県政の舵取りをどのように行っていかれるのか、吉村知事の御所見をお伺いいたしたいと存じます。

2 東日本大震災の教訓を踏まえた県の取組みについて

(1) 東日本大震災関連施策の全体と財源について(総務部長)

次に、東日本大震災の教訓を踏まえた県の取組みについて、何点かお聞きしたいと思います。

平成24年度において、県は、東日本大震災への直接的な対応として、引き続き、県内避難者の支援や風評被害対策・放射線対策などに取り組まれました。また、東日本大震災で顕在化した課題への対応として、「災害に強い県土づくりの推進」を最重要政策として打ち出され、「東北全体を俯瞰した復興・山形の再生」に向けて、公共インフラ等の代替性・補完性機能の確保や被害の軽減を図る防災機能の強化など、国に対する提言を重ねながら、本県独自の取組みなどを加えて施策を展開されました。さらに、知事が提唱された「卒原発」の実現に向けて、平成24年3月に「山形県エネルギー戦略」を策定し、再生可能エネルギーの導入推進に取り組まれております。

そこで、まず、平成24年度決算におけるこれら東日本大震災関連施策に要した費用の全体について、財源面を含め、総務部長にお伺いいたします。

(2) 避難者支援の取組みについて(危機管理監)

次に、避難者支援の取組みについてお伺いいたします。本県は、東日本大震災で甚大な被害を受けた被災県の隣県として、全国で最も多く避難された方を受け入れてきました。避難された方の数は減少傾向にあるものの、現在も約7千名の方々が未だに避難生活を余儀なくされています。本県へ避難された方々は、福島県の方が多く、原発事故による放射線の健康への影響を心配して避難された方、そのなかでも、父親を残して母親と子どもだけで避難された方が多くいらっしゃいます。震災から2年半以上が経過し、避難生活が長期化しているなかで、住み慣れた家と地域を離れて避難されている方にとっては、経済的な負担や、家族が離れて暮らすことによる精神的負担が増加していることが懸念されています。また、高齢者については、慣れない土地で地域に馴染めず、孤立することも危惧されるところです。

こうした状況の中で、平成24年度において、避難者支援にどのように取り組まれたのか、また、今後、どういった点に配慮しながら避難者支援に取り組んでいかれるのか、危機管理監にお伺いいたします。

(3) 津波対策の取組みについて(危機管理監)

次に、津波対策の取組みについてお伺いいたします。

東日本大震災では、太平洋沖の巨大地震に伴う大津波により、沿岸各地に甚大な被害がもたらされました。日本海においても、これまでに大きな地震やこれに伴う津波の被害が発生しています。将来、北海道北西沖から新潟県沖にかけての日本海東縁部でも、巨大地震が発生する可能性があると考えられており、本県でも東日本大震災を教訓に巨大津波への備えを進めておかなければなりません。2万1千人を超える死者・行方不明者を出した東日本大震災にあって、岩手県釜石市の小中学校では日頃の防災教育が活かされ、小中学生のほとんどが津波から逃れることができました。「釜石の奇跡」と言われるものであります。

巨大津波から身を守るには、ハード対策だけでは限界があり、「避難」を中心とするソフト対策も合わせた総合的な対策が重要であることを東日本大震災は示したわけですが、本県における津波防災対策、なかでも、避難などのソフト対策について、昨年度はどのような取組みがなされたのか、また、今後の津波防災対策をどのように進めていかれるお考えか、危機管理監にお伺いいたします。

(4) 格子状骨格道路ネットワークの整備促進について(知事)

次に、格子状骨格道路ネットワークの整備促進についてお伺いいたします。

東日本大震災では、日本海側ルートが太平洋側ルートを代替する役割を果たす一方で、高速道路のミッシングリンクや主要国道の脆弱性が明らかになったことから、県内の格子状骨格道路ネットワーク形成の重要性が再認識されたところです。このような中、今年度、「縦軸」となる、日本海沿岸東北自動車道は、沿線市町村や地元経済界など関係する方々の長年にわたる粘り強い活動がようやく実を結び、秋田・新潟両県境区間が同時に、待ちに待った新規事業化となり、また、「酒田みなと~遊佐」間は今月14日に起工式が開催され、全線開通の目途が立ちました。さらに、東北中央自動車道は、事業化されていない秋田県境部分の3区間について計画段階評価を進めるための調査が着手されるなど、県境区間のミッシングリンク解消に向けた、まさに画期的な進展が見られました。これもひとえに、地元の熱意に加え、知事の就任以来の積極的な取組み、さらに、東日本大震災を踏まえ、強いリーダーシップを発揮された賜物と認識しております。

また、「横軸」となる、地域高規格道路についても、今年度から新たに、国道47号の「高屋(たかや)道路」、国道113号の「梨郷(りんごう)道路」において、工事が着手されるなど、着実に整備が進められているところであり、地域経済の活性化、産業や観光の振興、防災、医療など様々な分野を支える格子状骨格道路ネットワークの早期完成が期待されるところです。

格子状骨格道路ネットワークの整備について、これまでの様々な取組みの成果をどのように見ておられるのか、また、更なる促進に向けて、今後、どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。

3 庄内空港における乱気流観測調査の結果について(県土整備部長)

次に、庄内空港における乱気流観測調査の結果についてお伺いいたします。

平成22年度から平成24年度までの3カ年にわたりまして、庄内空港における乱気流観測調査が行われました。県から大阪大学への委託事業として、375万3,000円×(かける)3カ年、トータルで1,125万9,000円で行われたとのことでございます。金額としてはそんなに大きなものではございませんが、庄内空港の安全性確保にとりまして、極めて重要な調査と認識しておりますので、お伺いをいたしておきたいと思います。

この調査の最終年度でありました昨年12月8日、土曜日、午後10時26分頃、庄内空港では初めてのオーバーランが発生いたしました。直後から国土交通省として、航空重大インシデントとして調査を開始、間もなく1年近くになるところであります。残念ながら、調査結果につきましては、未だに報告されていない状況でありますが、国会議員を通じて状況をお尋ねいたしてみたところでございますが、運輸安全委員会と言うところは、中間報告をしないのが慣例とのことで、ペーパー1枚の概要書を頂戴したのみでございます。最終報告は、おおむね1年後ぐらいを目標とされているところですが、それを待つしかないところでございます。オーバーラン発生後、全日空本社を訪問してお話をお聞きいたしたのでありますが、庄内空港は、特に冬季間において、パイロットの方々にとっては、非常に緊張をする空港の一つだと言われているとのことでした。私も多く利用をする中で、本当に怖い思いをしたことが何度もあったことを思い出します。

さて、3カ年にわたります庄内空港乱気流観測調査につきまして、どのような目的で、どのような調査が行われ、観測結果はどのようなものであったのか。また、本県からの委託とともに、宇宙航空研究開発機構JAXAも大阪大学と共同研究のため観測を行っていたようであります。更には、これらの観測データの集積・分析から、今後、庄内空港のような乱気流発生が危惧される空港の安全性向上に、どのような技術的進歩が期待できるのか、併せて県土整備部長にお伺いいたします。

4 農林水産業創意工夫プロジェクト支援事業の成果について(農林水産部長)

次に、農林水産業創意工夫プロジェクト支援事業の成果についてお伺いいたします。農林水産業創意工夫プロジェクト支援事業が創設されてから、今年度で5年目になります。吉村知事が、初めて知事に立候補された時のマニフェストには、「農林水産業の現場、生産者支援を強化、農業者の求める事業をメニュー方式からオーダーメイド方式に転換」すると謳っており、まさにこれを実行に移された事業と言えます。本県の基盤産業である農林水産業を再生する、生産者を元気にするという強い意思で取り組まれ、農林水産業を起点とする産出額3,000億円の達成に向け、まさに中核をなす事業であり、多くの生産者が元気づけられた事業であります。

平成24年度は、酒田飽海地区においても、新規需要米や加工用米、そばの生産拡大に向けた取組みや、地元で生産される野菜を活用した食品製造業者の取組みなどが採択されておりますが、農林漁業者等の現場起点での自由な発想による創意工夫ある取組みを支援すること、そして個人の取組みまで支援対象とするなど、生産者の意欲を引き出しながら、農林水産業の活性化や雇用の創出が図られているものと考えております。

本事業は、生産者や市町村、農業団体等の期待も大きく、本県農林水産業の発展のためには、今後とも是非継続すべきものと考えておりますが、平成24年度の応募状況や事業の実績とその評価、今後の事業の方向性について、農林水産部長にお伺いいたします。

5 教育の振興について(教育長)

(1) 教育山形「さんさん」プランの検証について

次に、平成23年度に中学校3年生まで完全実施されました、教育山形「さんさん」プランにつきましてお伺いいたします。高橋和雄元知事が、全国に先駆けて教育県山形の象徴的取組みとして、平成14年度に小学校1年生から3年生までにおける少人数学級編制を導入されましてから10年、紆余曲折を経ながら完全実施されたことの意義はとても深いものがあると存じます。

9月定例会におきましても、「全国学力・学習状況調査」との関係等様々な角度から「さんさん」プランについて御議論がございました。もちろん、学力向上は、少人数学級編制の実施においての大きな目的の一つであります。しかしながら、子供たちを取り巻く環境が、極めて急速に変化をする現代、子供たちの「生きる力」をしっかりと育てる、一人一人の個性を大切に育てる、不登校やいじめのない学校づくりを進める、教師自ら研鑚を積み教師力の向上に資するなど、多方面にわたる目的達成のためのシステムを10年かけて作り上げてきた訳であります。今後は、これまでの成果と課題を踏まえながら、より「さんさん」プランを充実したものにしていく必要があると考えます。

県教育委員会では、平成23年度、24年度と、外部有識者を交えた「再構築会議」を設置し、総合的な検証作業を行ってきたとのことですが、その結果について教育長にお伺いいたします。また、今後も、「さんさん」プランの効果がどのように現れているかの検証を常に行っていく必要があると思いますが、「さんさん」プランをより良いものとしていくための今後の取組みについて、教育長の御所見をお伺いいたします。

(2) 県立酒田光陵高校開学1年目の評価について

最後に、県立酒田光陵高校開学1年目の評価について、お伺いいたします。今更申し上げるまでもないところではございますが、昨年4月、酒田市内の県立・市立の4校の統合により県立酒田光陵高校が誕生しました。公立高校としては東北・北海道最大のマンモス校として新たな歴史を刻み始めたところでございます。誠に残念ではございますが、今年8月、校舎4階から生徒が転落するという悲しい事故が発生してしまいました。しかし、奇跡的に一命を取り留め、しっかりと回復に向かっているとお聞きしており、安堵しているところでございます。先日、酒田光陵高校を訪問させていただきましたが、行き交う生徒の皆さんも、本当に元気に挨拶をしてくださり、学校内も落ち着いている様子に、ほっといたしたところでございます。

さて、現在、県内各地で高校再編が進む中におきまして、酒田光陵高校の開学は、今後の高校再編にも様々な教訓を残しているものと考えます。通学路として使用している県道の狭隘さが心配された訳ですが、交通事故などの報告もないものと思いますし、保護者の送迎車のトラブルもないと聞いております。校舎の工事関係につきましては、先日お邪魔した時点で、とても広い自転車置き場が完成するとほぼ終了とのことでした。マンモス校ゆえに校舎の中には先生たちの目が届きにくい個所なども、少しあるとの御指摘もPTAの方々からお聞きをいたしております。何よりも、生徒の皆様方が、楽しく勉学やスポーツ、文化活動に打ち込める学校環境が整っていることが重要であると考えます。

教職員の皆様方の状況なども含めて、酒田光陵高校開学1年目の評価について、教育長にお伺いいたします。

日常の活動はFacebookをお開き下さい

ホームページリニューアル中の掲載から、一向に終了のお知らせが出来ないままになっておりますこと、深くお詫び申し上げます。実は山形県議会における私自身の質問のDVDをアップしたいのですが、これが中々うまい方法が見つからず、ホームページ管理をお願いしている方も頭を悩ませているようです。近々、この部分をしっかり構築した上で、改めてリニューアルオープン宣言を致す所存でございます。

なお、日々の活動はFacebookと言うコンテンツをクリックして頂きたいと存じます。ご自身がFacebookに登録をなされていない場合でも、私の投稿だけは見ることが可能です。また、皆様からのご意見等もお寄せ頂ければ幸いに存じます。今後とも「山形県議会議員 石黒さとるホームページ」を、ご愛顧賜りますようお願い申し上げます。

春は異動の季節

2月下旬から始まった平成25年2月定例県議会が終了したのは3月19日、その後も山形市にての会議が続き、年度末は北海道、仙台、東京と連日の研修そして移動、本当にずいぶん久しぶりに何の予定もない一日。実はこんな恰好で過ごしていました。

女房殿曰く、はっきり言って最悪なスタイル、笑うしかないだそうです。しかし、家ではこんなもんです

女房殿曰く「はっきり言って最悪なスタイル笑うしかない」だそうです。しかし、家ではこんなもんでしょう、普通は・・・・・

何とよりによって、このスタイルのところに、人事異動のご挨拶にわざわざ来て下さる方々がいらっしゃるとは思いもよらず、誠に失礼千万な格好で申し訳なく存じた次第でございます。玄関のチャイムが鳴ってからでは、着替えもままならず、このままで失礼申し上げました。本当にご容赦下さい。女房殿の言う通り「笑うしかない」が、正しい表現かもしれないと、納得したりして・・・・・

人事異動の辞令を頂いた皆様方には、新天地でこれまで以上のご活躍を頂きますことを、心よりご祈念申し上げます。平成25年度も、何卒よろしくお願い申し上げます。

常任委員会・県連・追悼への祈り

10時、3日間の各常任委員会が始まりました。私の属する農林水産常任委員会の初日は、農林水産部長報告の後、農政企画課、新農業推進課、県産米ブランド推進課、農山漁村計画化、生産技術課、環境農業推進課、畜産課、農村整備課、森林課の平成25年度予算について、詳細説明が行われました。今議会一般質問でも取り上げさせて頂きましたが、何といっても6次産業化を起点にした「食産業大国やまがた」の実現に向けた、農商工連携強化による「地域の再生」と言う大きな課題に挑む予算であろうと認識をしています。

16時、民主党県連にて3区総支部運営について打合せ、諸変更手続きなど、事務処理能力まるでない私には、結局手に負えず県連の職員の方々を煩わせることになりました。

17時過ぎ、旧県庁文翔館前広場にて開催の追悼・復興祈念行事キャンドルナイト「復興への祈り」に参加。実行委員長の挨拶、避難者のメッセージに続き、吉村県知事、市川市長、避難者代表によるキャンドル点火、私もキャンドル作りから参加させて頂きまして、心より復興の祈りを捧げさせて頂きました。

 

3・11追悼・復興祈念キャンドルナイト「復興への祈り」吉村知事キャンドル点火
3・11追悼・復興祈念キャンドルナイト「復興への祈り」吉村知事キャンドル点火

 

参加者皆で手作りローソクを灯し復興への祈り
参加者皆で手作りローソクを灯し復興への祈り

 

 

平成25年3月1日 一般質問

平成24年度2月定例会(平成25年3月1日)一般質問

1. 今後の県づくりの方向性について(知事)

県政クラブの石黒覚でございます。平成25年2月定例会一般質問に先立ちまして、私からも吉村県政二期目のスタートに対しまして、深甚なる敬意とお祝いを申し上げさせて頂きたいと存じます。吉村美栄子知事におかれましては、県民の皆様方の圧倒的な信頼によりまして、54年ぶりと言う無投票によります当選を果たされましたことは、本県県政の歴史におきまして輝かしい誉れと、お慶び申し上げますとともに、「あったかい県政」の益々の発展、そして県民皆様の幸せのためにお力を尽くされますことを、ご祈念申し上げる次第でございます。また、豪雪をはじめと致します災害に見舞われております、皆様方には、心よりお見舞いを申し上げる次第でございます。

 まず初めに、吉村県政の二期目における県づくりの方向性について、知事にお伺いを申し上げたいと存じます。
代表質問、一般質問におきまして、知事の二期目の県づくりについて、様々な角度からご質問がなされております。私くしからは、「自然と文明が調和した理想郷山形」と言う、将来ビジョンを実現していくために、掲げられました二つの視点のうち、総合的な少子化対策や、次代の地域づくりの担い手となる若者への総合的な支援などによる「地域の再生」に関連した取組みの方向性についてお伺いを申し上げたいと存じます。
合計特殊出生率の目標値1.7達成に向けた様々な施策展開は、これまでの取組みの中においても、全国に先駆けて上向いていることも事実でございます。しかしながら、人口減少社会対策特別委員会等におきましても、同様の発言させて頂いておりますが、結婚支援、子育て支援、人づくりなど等の施策をどんなに講じても、特定の地域におきましては、全くその効果はないと言わざるを得ない地域や集落が存在することも認識致さなければなりません。
例えば、私くしの出身地酒田市の本県唯一の離島飛島におきましては、長年にわたり子供が生まれない状況が続いていますし、高齢化率は65%に達する状況にあります。こうした状況まで少子高齢化が進んでいる地域に対する施策の在り方については、中々率直な議論がしにくい環境にあることも一方にはあるのかも知れません。しかし、現実から目をそむけることは、行政にあってはならないことだと、私くしは考えるところでございます。
特殊出生率1.7と言う目標達成に向けた施策の展開は徹底して実行していく一方で、子供の出生が望めない地域が、どのように分布し、このまま出生が望めないままに推移する場合、どのような時期に、どのような状況が想定されるのか、県として市町村と、率直な議論を始めなければならない時点に、現在があるのではないかと考えるのは、後ろ向きの発想なのでしょうか。
今、例として挙げた出生率に限らず、掲げられますさまざまな目標数値達成が、単に本県全体として扱われるものだとするならば、それぞれの市町村や地域、あるいは集落が抱えるところの課題を解決することにはならないのではないかと、懸念を抱くものでございます。
それぞれの地域には各々の課題や背景があります。それらを適切に把握し、課題に応じた施策を展開してこそ、「県民一人ひとりが喜びと幸せを実感し、活き活きと輝いて生きていける山形県」の実現が可能になるものと考えます。吉村知事のご所見を承りたいと存じます。

 

2.6次産業化の推進について

(1) 食産業の振興について(知事)

 次に、吉村知事一期目に目標と致しました農林水産業起点の産出額3000億円は、6次産業化の取組みも含む中で、ほぼ達成と言う成果を生み出しましたことは、本県経済の基盤であります「農林水産業元気再生」に大きな成果があったものと存じます。

 これまで6次産業化の取組みと申しますと、県内では、加工施設や直売所の設置など生産者による加工や流通の取組みが主体となっていたものと思われますが、そうした取り組みによりまして、産出額の拡大に止まらず、農林水産業全体の振興を図る、誠に有意義な施策であると評価致しております。また、知事は就任以来、生産現場の意欲や創意工夫を最大限に尊重する取り組みへの支援を積極的に講じられ、現在、県内各地域で多くの6次産業化の取組みが芽吹きつつあります。

 こうした状況の中、知事は、そうした動きを単に農林水産業の産出額工場の手段の一つととらえるのではなく、「食産業」と言う本県経済の基盤を支え、雇用を創出する新たな産業群を育成するという、中長期的な視野でとらえ、積極的に施策の展開を図ると表明されております。私くしもまさに同様の認識でございます。

 農林水産省でも昨年3月に策定されました「食品産業の将来ビジョン」におきまして、食品関連産業の市場規模を2009年度の95兆7千億円から、2020年までに120兆円に拡大することとしています。また、6次産業の2010年の市場規模1兆円を2015年までに3兆円、2020年までに10兆円に拡大することを目標に掲げまして、食品産業の振興と言う観点から施策を展開することと致しております。

 2期目のスタートに当たりまして、知事が掲げました公約の中でも、「農林水産業を起点とする多様な経営展開」を施策の柱の一つとして標榜致しておりますが、関連分野を含めた食産業の振興に向けまして、今後6次産業化の取組みをどのように進めていかれるのか、改めてそのご所見についてお伺い申し上げます。

(2) 6次産業化に対応した高校における学科再編について(教育長)

 次に、昨年9月定例会予算特別委員会質疑の際に、教育長にお伺いを予定いたしておりました、6次産業化に対応した高校における学科再編につきまして、時間切れで大変失礼を申し上げた経過がございます。今回改めまして、6次産業化推進へ一つの方向として、教育分野における取組みの必要性はないのか、と言う観点から6次産業化に対応した学科再編の考え方について教育長にお伺いを致したいと存じます。

東京大学名誉教授の今村奈良臣先生が、農業の6次産業化を最初に提唱された先生でありますが、2011年11月発行の「畜産の情報」と言う冊子に執筆された文章で「私は今から17年前に全国の農村、取り分け農村女性の皆さんに向けて『農業の6次産業化を進めよう』と呼びかけてきた、と書いております。内容は「手塩にかけて作った農畜産物・林産物を多彩な形に加工したり、調理したりして、消費者に可能な限り直接届ける、あるいは直売所などを作り消費者に買ってもらうことを通して、農村地域に働く場、雇用の場も作り、付加価値を殖やし、所得を大幅に上げようではないか、と言う提案であった」と説明されております。また、この提唱が民主党政権下で農業政策の柱になり、2011年3月に「6次産業化法」(「地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律」)が公布・施行されたことで、加速化されたと書かれておりました。

私くしは、本県におきまして、これらの取組みをさらに加速させる一つとして、現在高等学校再編が進められる中で、産業分野の学科改編に「6次産業学科」を設置しては如何かと考えております。今定例会に提案されております、農林水産業の施策に「食産業の振興」がございます。食を起点とした農業・工業・商業・観光などの融合による、6次産業化を体系的に習得できる学科設置が、時代の求めるところではないかと、考えるところでございます。本県における産業教育の現状と、6次産業化に対応した学科再編の方向について教育長にお伺い申し上げます。

3.東北公益文科大学の担うべき役割について(副知事)

 次に、平成13年4月に開学されました東北公益文科大学は、その開学に当たりまして、以下のような大学設立宣言を発信されました。

『今、東北の一郭・庄内の地には、創造と進取の気象がみなぎっている。その息吹の中から新しい大学が誕生した。日本で初めて公益学に挑戦する東北公益文科大学である。庄内地方は、遠い北前船の時代には東日本・日本海側で最も栄えた港町を擁した。日本一、二を誇る庄内米などを扱って全国を先導した豪商・大地主も多く輩出した。さらに最上川や鳥海山・月山には芭蕉はじめ、多くの文人墨客が足跡を刻んだ。また庄内藩とそれに続く城下町の伝統は高度の学術・文化を育み、蓄積した。~中略~

21世紀は人・心本位の時代である。世のため人のための非営利の考えや活動、制度やシステムが大きな位置と役割を占めることになる。そのときこそ、子供が子供らしく、人間が人間らしく生きることのできる公益の時代である。』と

以来、12年の歴史を刻んできたわけでございますが、高橋副知事は副理事長と言うお立場で、この間並々ならぬお力を傾注され、魅力ある大学づくりを進めるエンジンの役割を果たして来られましたことに心よりの敬意を表するものでございます。

昨年4月以降、改革を旨と致しながら、学生たちの学びの充実を基本に、大学のさらなる充実について大いなる議論を

行っているともお聞きいたしております。東北公益文科大学の担うべき役割は、公益の精神に支えられた社会づくりに貢献出来得る人材の育成であります。

私くしは、吉村知事が目指します中国やロシア、台湾、ASEAN諸国との交流拡大を担うべき人材の育成こそ、東北公益文科大学が担うべき大きな役割であろうと、考えるのでございます。様々な大学改革の中で、語学力の強化、あるいは観光学の習得など、今からの時代が求める新たな視点によりますカリキュラムの強化や、相互留学システムの構築などが求められているものと考えますが、東北公益文科大学の担うべき役割、そして大学発展の方向について、副知事にお伺いいたします。

4.水資源保全条例を踏まえた今後の展開について(環境エネルギー部長)

 次に、今定例会に提案されております、水資源保全条例を踏まえた今後の展開につきまして、環境エネルギー部長にお伺いを申し上げます。
私が山形県議会に議席をお預かり致しました、一昨年、平成23年、初めての定例議会でございました6月定例会におきまして、一般質問の機会を賜りました。その質問の中で「山形県の美しい自然の原点、食糧生産、食文化の源でもあり、全ての命の源である水資源保全のための対策について」ご質問を申し上げた経過がございます。当時佐藤生活環境部長から「環境基本法の改正等の法整備を国に働きかけたい。他県の状況を把握しながら、県内市町村とともに条例化の研究をしていくなど、本県の水資源の確保に向けた取り組みを進めて参りたい。」との極めて前向きなご答弁がありました。その後、様々な議論を経ながらスピーディな対応による、この度の条例制定の運びになりますことは、大きな評価を申し上げるところでございます。
当時、県内において発生致しました外国資本や企業によります森林買収や遊佐町での岩石採取等の開発行為によるところの影響が懸念された直後の平成23年2月に農林水産省、国土交通省、環境省に対しまして、吉村知事が「森林と水資源を守るための政策提案」を行うなど国に対し対策を求める取り組みが始まりました。
その結果、森林法改正によります森林の土地取引の事後届出制が制度化されるなど一定の法整備はあった訳でありますが、本県が提案した森林の保全管理が適正に行えるのかを事前にチェックする制度や、小規模の林地開発に対する規制、水資源の量的な確保に関する規制などについては、未だ制度化されていないのが現状でございます。
このような課題に対応するため、今回条例が提案されているわけでございますが、今回の条例では、水資源を保全するための総合計画を策定するとともに、水資源保全地域を指定し、土地取引や開発行為を規制する事前届出制を導入することとしております。
本条例に基づき、今後、総合計画にどのような施策を盛り込み、具体化していかれるのか、また、どのような区域を水資源保全地域に指定し、指導していくかが重要であろうと考えるところでございます。水資源を保全していくためには、県民の皆様の理解が重要であることは、言うまでもないところでございます。規制だけではなく、水源涵養に大きな役割を担っている森林の維持保全のために、やまがた緑環境税を活用するとか、目に見える具体的な取り組みが、極めて重要なことは明らかでございます。
今後どのような総合計画を策定し、またどのような考え方で水資源保全地域を指定していくのか、環境エネルギー部長にお伺い申し上げます。

5.庄内空港の利用拡大について(企画振興部長)

庄内空港は、平成3年10月に「陸の孤島庄内」に象徴された、高速交通網のエアポケットの状況にあった、庄内地域住民33万人の大きな期待のもとに、当時1県に2空港と言う珍しいケースとして開港致しまして、今年で23年目を迎えます。この間、大阪線は開港から19年目の平成21年3月31日をもって廃止。また、札幌線は平成20年4月から休止、函館線は季節運航2年で休止などありましたが、国内線の利用促進施策に、地元の庄内空港利用振興協議会が中心となって取り組んで参りました。また、国際線ではハルビン定期チャーター便が平成10年度から平成13年度まで4年間で71便の運航、昨年は2月、3月には台湾との相互観光交流チャーター便が3往復運航されました。

一方、利用状況を見てみますと、就航の条件に違いはあるわけでございますが、平成3年開港以来、平成12年度には432,427とピークに達し、その後平成20年度まで40万人前後で推移しておりましたが、その後は景気悪化等により、平成21年度は339,579人まで減少致しました。直近の平成22年度は356,153人、平成23年度は352,490人と350,000人を超えております。

こうして庄内空港の歩みを見てみますと、庄内33万人の足としての当初の目的が十分達成されていることは間違いないところでございます。

一方で、庄内空港開港から23年目の今日、グローバリゼーションの時代と言われる中において、輸送量、スピードに加え、最終目的地が外国であるなど、私たち地方が持つ社会資本にとっては、新たな課題にどのように取り組んでいくのかが問われる時代ではないかと考えるところでございます。

こうした時代の中で、吉村知事が進めます対岸諸国との、「人、モノ、文化」などの交流拡大を見据えた施策展開の基礎的ツールとして、庄内空港が新たな役割を担う時代の到来であろうと私くしは、認識致すところでございます。

1月の末に観光振興、農産物をはじめとする県産品輸出状況などにつきまして、吉村知事もトップセールスに力を入れる台湾に政務調査を行う機会を頂きました。

その折に、台湾政府外交部亜東関係協会黄秘書長との意見交換をさせて頂きました。黄秘書長から「吉村知事が幾度か台湾を訪問されたことを高く評価している」とのお言葉を頂戴いたしまして、知事のトップセールスの効果の大きさに改めて敬意を表するところでございました。また、台湾の航空会社が、昨年やはり海外の空港でオーバーランを起こした結果、政府として180人乗り以上の機種の場合は2500m滑走路でなければ着陸を許可しない基準を、厳しく通知したそうでございます。そのことが原因であろうと思いますが、この3月に台湾からのチャーター便2便が山形空港に着陸予定であったものが、福島空港に変更せざるを得なくなったとお聞きいたしました。

グローバル化が急激に進む時代の中で、庄内空港が新たな役割を担い、新潟空港や秋田空港、あるいは仙台空港などとの棲み分けを図り、埋没することなく、新たな時代における庄内空港の、新たな役割を果たしていくために必要な航空ネットワークの維持・拡充が重要な課題であると考えます。そのためには、庄内空港の新たな役割、さらなる利用拡大、安全強化、輸送機能強化など等、多角的視点に立って総合的検討が必要であろうと考えるのでありますが、企画振興部長のご所見をお伺い申し上げます。

6.酒田港の機能強化について(県土整備部長)

(1) 酒田港の利用拡大に向けた整備について

次に酒田港の利用拡大に向けた整備について、県土整備部長にお伺い申し上げます。

酒田港に関しましては、機会あるごとにご質問をさせて頂いているところでございます。吉村知事2期目の公約「地域活力を生み出し災害に強い県土基盤の形成~県民の暮らしや産業を支える災害に強い社会資本の整備を進めます」の項には、グローバル拠点の整備として、重点港湾及び日本海側拠点港の選定を受けた酒田港について、海外との交流拠点としての物流機能の強化と貨物量の増加を促進しますと記されており、その目標値と致しまして現状10,346TEU(平成23年値)を、目標値として15,000TEUに伸ばすと掲げております。この目標値を仮に、県内荷主の利用率拡大によって、達成をするには、どのような数字になるのかを、担当にお伺い致しました。東日本大震災後の平成23年及び平成24年は、それまでの利用状況とは異質なことから、平成20年のデータでございます、6,052TEUで利用率が14.1%をベースに計算して頂きました。前提条件として、県外荷主の割合が低いことから、全て県内荷主の貨物として計算することとします。15.000TEUを達成するには、6,052TEUで割ると2.48倍の貨物が必要です。よって、利用率は14.1%×2.48倍=35%となった場合、目標が達成されることになります。概算値ではありますが、現在県内では年間43,000TEUが、どこかの港を利用していることになります。知事の掲げました目標達成に向けて、ソフト面では、来年度予算で助成制度の拡充を図るとありますが、ハード面については、どのように進めていかれるのか具体的にお示し頂きたいと存じます。

合わせまして、日本海側拠点港選定時に掲げました、リサイクル部門の目標達成における現状と今後の課題についても、お伺い申し上げます。

(2) 港湾地区における再生可能エネルギーの導入促進について

最後に、港湾地区における再生可能エネルギーの導入促進について、県土整備部長にお伺い申し上げます。

吉村知事は、2年前の東日本大震災発生後、大きな被害に至らなかった本県がなすべき役割を、被災地や被災者に寄り添いながら、隣県として全身全霊をかけて支援してこられました。そして、今尚その思いは何も変わることなく、支援は続けられています。

一方で、福島第一原発事故発生の教訓から、いち早く「卒原発」と言う考え方を提唱し、未来の世代が安心して暮らすことのできる社会の実現を目指すための、「山形県エネルギー戦略」を策定致しました。そして、2期目に向かう公約においては、6つの柱の一つと致しまして「エネルギーを安定供給し、持続的な発展を可能にする環境資産の保全・創造・活用」を掲げられております。

また、今定例議会に当たりましての知事説明の中では、二つの視点と四つの成長戦略をお示しになりましたが、その成長戦略の三つ目に「エネルギーで地域経済活性化・産業振興」を掲げられました。そうした施策を具体的に進めるに当たりまして、公約には、新エネルギーの開発推進の一つと致しまして、海洋エネルギー資源の調査・開発を進めます、とあります。また、吉村知事におかれましては、酒田港の発展について並々ならぬ思いのもとに、施策展開を進められていることに触れさせて頂きました。酒田港は、これらの施策を展開するのに、まさにふさわしい高いポテンシャルをもっているものと確信いたしております。

つい先日、2月19日付け山形新聞1面に「酒田港で非常時電力供給~国交省、環境省、再生可能エネ導入」と言う記事がございました。港湾地域に太陽光発電による再生可能エネルギーを導入し、平時だけでなく、併せて非常時の電力供給システムの可能性を探る、国交省と環境省の委託事業を民間の酒田港リサイクル産業センター株式会社が委託を受けたとの内容でした。

酒田港は、風力発電、酒田共同火力のバイオマス燃料を石炭と混合した発電、メガソーラー発電など等、再生可能エネルギーの集積が進みつつあり、まさに物流拠点としての酒田港と、再生可能エネルギー集積基地としての酒田港と言う、新たな時代の港湾に進化しつつあります。この点につきまして、酒田港における今後の方向性、推進のための施策、拠点化することへの期待できる効果について、県土整備部長のご所見をお伺い申し上げまして、私からの一般質問とさせて頂きます。

出初式・建設組合平田支部総会・移動

13時、酒田市清水屋前にて開催の酒田地区消防出初式に出席。昨日までの暴風雪とは、打って変わって日差しがのぞく穏やかな天気に恵まれました。友好消防団盟約を結ぶ東京都武蔵野市副市長、消防団長他多くの来賓出席のもと、観閲から始まり、梯子乗り、訓示、祝辞、威風堂々たる分列行進と終始頼もしい消防団の心意気が伝わる出初式でした。

女性団員の勇気ある見事な梯子乗り演技
女性団員の勇気ある見事な梯子乗り演技

 

市民の安心・安全のために日頃から訓練を重ね、整然と行動する消防団は市民の信頼に応える
市民の安心・安全のために日頃から訓練を重ね、整然と行動する消防団は市民の信頼に応える

 

15時、南平田コミセンにて開催の酒田飽海建設総合組合平田支部総会に出席。永年従事者等の表彰が行われた後に、来賓祝辞を述べさせて頂きました。1級建築士としては仲間の皆様と言う立場、日頃のご尽力に敬意を申し上げさせて頂きました。

17時55分、ここ数日大きく乱れた空の便も今日は順調とのことで、会派政務調査のため、羽田に移動しました。東京の夜景がとても綺麗でした。

世界に誇る巨大都市東京の夜景を上空から眺めるのは贅沢な気分
世界に誇る巨大都市東京の夜景を上空から眺めるのは贅沢な気分